SAO編
序章 はじまりの街にて
7.二人の決意
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思う。自分でもこんなことを言うなんて、つい数時間前までは思ってもみなかったから。
私は、言った後もキリュウさんの瞳から目を離しませんでした。
――まだ、言わなくてはいけないことがある。
そう思ったから。
「……そうか」
キリュウさんが、何かを考えるように目を瞑って呟きました。
そして再びその瞳を開いたとき、今度は私だけに向かって言ってきました。
「……それで、どうするんだ?」
「え?」
「強くなりたい、という意思は解った。……それでお前は――どうやって強くなろうと思っているんだ?」
「……っ」
一応、予想していた問いでした。でも、キリュウさんの真剣な瞳を見ながら聞いたら、つい怖気づいて 逃げ出してしまいそうになりました。
こんな私が、強くなりたいと思ったこと自体、間違いだったんじゃないかって。間違いだって言われるんじゃないかって……。
でも、ここで逃げたらいつまでも変わらない。変われないんです!
なけなしの勇気を振り絞るために、私は膝の上の両手をぎゅっと握り締めました。
そのとき――。
「――え……?」
いつの間にか近くに来ていたネリーとチマが、私の手に自分の手を重ねてきました。
それで驚いた私は、二人の顔を交互に見ました。
二人は無言で私に笑いかけ、重ねた手に軽く力を入れました。
『頑張って』
二人の笑顔とその手の暖かさから、その言葉が聞こえてきた気がしました。
――結局……助けられてるな。
そう思いつつも、私の口は笑ってました。
私は固く握り締めた手をほどき、今度は二人の手を握りしめて――キリュウさんに向けて、言いました。
「お願いします! 私に……私たちにっ、教えてくれませんか? 戦い方を……強くなる方法をっ……教えてくださいっ、お願いします!」
頭は下げませんでした。
その代わり、自分の想いが伝わるように、目を逸らさずに言いました。
「お願いしますっ!」
「お願いしますッス!」
私の両隣で、私の言葉に続くように頭を下げるネリーとチマ。
私は、震える心を二人の手を握り締めることで耐え、キリュウさんの言葉を待ちました。
◆
――意外……だったな。
それが、俺の思った感想だった。
その言葉を言ってくるかもしれないとは思っていた。
だが実際に言ったの気の弱そうに見えるこの娘だったとは……。いや、寧ろだからこそ言ったのかもしれないのか。
先ほどはこの三人のそれぞれの役割は確定しているように思ったが、それを由と思っていない者もいるということか。
その考えは一旦置いておいて、俺はレイアの言った「強くなる方法を教えて
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