暁 〜小説投稿サイト〜
SAO 〜冷厳なる槍使い〜
SAO編
序章  はじまりの街にて
6.矛盾
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「――それで」

 俺と三人の少女が、無事に《はじまりの街》――犯罪禁止コード圏内――に入ってすぐ、俺は振り返って三人に尋ねた。

「はい?」
「な、なんですかッス」
「……は、はい」

 俺に対して苦手意識が出来たのか、銀髪と茶髪の二人は緊張した趣きで返事をした。

「……それで、お前たちは宿は決まっているのか?」

 もう時間も遅い。街の中では安全とはいえ、一応男として、女性はちゃんと宿屋に送っていかなければならないだろう。

「……あ」

 三人が声を揃えて口を開いた。

「そ、そういえば……ど、どうしよっか?」
「今から探すしかぁないッスかね〜。……あ、レイアは?」
「私も二人とずっと一緒だったでしょう……。確認してる時間はさすがになかったよ」
「そうッスよねー」

 三人とも宿屋のことはそもそも頭に無かったらしい。

「……では、どうする? 一軒だけなら心当たりがあるが」

 自分の泊まろうとした宿屋なら、案内は出来る。出来るが……。

「あ、本当ですか!? あの、教えてもらってもいいですか?」
「流石に野宿は嫌ッスからね〜。お願いしますッス!」
「……すみません。出来れば、お願いしたいです」

 三人がそれぞれ俺に頭を下げる。
 少し拍子抜けした。一応男の――俺の案内を簡単に受けるとは……。

「……いいのか?」

 そういう意味を籠めて聞いた。

「え? 何がですか?」
「…………いや、なんでもない」

 純心というか、お人好しというか。その様な顔をされたら何も言えなくなる。

「……こっちだ」

 俺は三人に背を向けて歩き出した。
 そして、三人も慌てた様子で俺の後を付いてきた。





 酒場兼宿屋《煙突亭》は、はじまりの街の北西ゲートから東へ歩いて五分程度の場所にあった。
 ギィィという軋むような音をさせながら木製の両開き扉を開けると、狭くならない程度に置かれたいくつもの丸テーブルや椅子、そして奥に大小のカウンターが見えた。
 俺は、石畳の床を歩いて小さい方のカウンターに向かう。

「いらっしゃい。お一人様?」

 この小さい方のカウンターが宿屋関係のカウンターだろう。【Acceptance of Inn】――宿屋の受付という看板が掛けられている。
 エプロンと三角巾を身に付けた恰幅の良い女性NPCが、元気な声と共に俺を迎えた。

「……鍵付きの、一人部屋と三人部屋を一泊借りたい」

 俺の部屋と、後ろで店内をキョロキョロ見ている三人――は一緒でいいだろう――の部屋を借りようとした。

「はいよっ。えー、一人部屋が10コル。三人部屋だと24コル。合わせて34コルね」

 一人部屋――個室の方が割合的に
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