SAO編
序章 はじまりの街にて
6.矛盾
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……あんのキーボードのコンチキショウめが〜〜〜!!!」
拳を握り締めて打ち震える少女――チマ。別に変な名でもないと思うが。
それを見てくすくすと笑うルネリーとレイア。
「ハァァ〜……まあ、そんな感じなんス。で、わたしはこの二人とはクラスメイトにして親友という間柄ッス。歳は……もう言っちゃっても良いッスよね。わたしらは全員、中学二年生ッス」
盛大に溜息を吐きながら、それでも一応ちゃんと自己紹介をするチマ。
その後に、ルネリーが俺に向かって言った。
「あの、それで東雲さん……じゃなくてっ。その、ここでのお名前って何ですか?」
「……ああ、俺はここでは《キリュウ》という」
自分の本当の名前ではない名を言い合うのに、自己紹介というのも変な感じだ。
「キリュウさん、ですか……」
「……キリュウ、さん」
「ほうほう、キリュウさんッスね」
――何度も呟いているようだが、そんなに俺の名前は覚えにくいだろうか。
そんな感じで各自の名前を言い終わると、ちょうど料理をお盆に乗せて運んできた中年女性の給仕がやって来た。
「はぁい、お待たせいたしやしたぁ」
少し舌足らずな調子で言いながら、次々にテーブルに料理を乗せていくウェイトレス。
「おー! 来たッス、来たッス!」
「おいしそ〜」
「……名前はアレだったけど、見た目はまともそうだね」
いい匂いのする料理たちが、テーブルに並んだ。
「以上でよろしぃでしょかぁ?」
「…………ああ」
酔っ払っているような喋り方だが、ウェイトレスの動きはしっかりとしている。これが地なのだろうか。
「ではぁ、ごゆっくりとぉごくつぉぎ下さぁい」
最後まで舌足らずな調子で、ウェイトレスは離れていった。
「じゃあ、いただきましょうか!」
「待ってましたッス! いっただっきますッス〜!」
「いただきま〜す!」
「いただきます」
「…………頂きます」
俺たちは各々が頼んだ料理を食べ始めた。
全員がもうすぐ食べ終わるというとき、ルネリーがグラタンのようなものをスプーンで口に運びながら言った。
「あ、ほ〜いえは」
「ネリー……お行儀が悪いよ」
「あはは、ゴメンごめん。そーいえばさ、あたしってSAOでお店入るの初めてなんだけど、ここのお勘定ってどうなってるの? 食べ終わったら払うの?」
「……マニュアルは見なかったのか?」
「あは、はは、は……あたしって、説明書見ないでゲーム始めるタイプで……」
「はぁ……最低限は見といてって言ったのに」
「あ、そういえばわたしも見てなかったッス。あはは〜」
「……もぅ、二人とも……」
――なるほど、レイアは二人の保護者的な役割をして
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