SAO編
序章 はじまりの街にて
6.矛盾
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えば……SAOでの名前というものがあったのだったか。
滅多にしない自己紹介だったので、ついここが《仮想世界》だということを忘れていた。
「……すまない。ゲームというものは初めてで、こういう所のルールというものがよく解っていないんだ……」
俺は三人に謝罪をした。自分の無知さを改めて痛感した気分だ。
「い、いえ! 全然気にしてないですよっ!」
「そうですよ。あ、そういえば最初に会ったときも言ってましたね。ゲームが初めてだと……」
「……ああ」
「いやー、なんか余りにも堂々としてたッスから、てっきりこのゲームにも慣れてるもんだと思ってたッス」
――俺はそこまで堂々としていたのだろうか……?
自分としては結構、初めてのことに戸惑っていたのだが。
俺がそう思っていると、俺の右隣りに座っている金髪の少女が言ってきた。
「なら、あたしたちから自己紹介しますよ! えーコホン、あたしは《ルネリー》って言います。あ、モチロン《キャラネーム》ですよ?」
金髪の少女――ルネリーが元気良く言った。
「あたしたちもVRMMOはこれが初めてなんで、色々よく解ってないです。えへへ、おそろいですね!」
――おそろい……? ゲームが初めてがってことだろうか? ふむ、よく解らない娘だ。
そうして、次に俺の正面に座っている銀髪の少女が口を開いた。
「……えと、改めまして。私はこの世界では《レイア》といいます。顔を見れば分かると思いますが、ネリー……じゃなくて、ルネリーの双子の姉になります」
「はいっ、そうなんです! あ、あたしのことはよければ《ネリー》って呼んで下さいね!」
銀髪の少女――レイアと、その言葉に付け足すようにルネリーが言う。
――ふむ。やはり双子だったか。
雰囲気が違いすぎるせいで、一見しただけでは解らないが、近くで見比べればすぐに解るくらいには顔がまったく同じだ。
「じゃ、次はわたしッスね。わたしは――……あー、わ、たしぃ、はぁ……あ、えーとぉ」
「……?」
最初の「わたしは」を言った辺りから顔を歪める茶髪の少女。一体どうしたんだろうか。
俺が疑問に思っていると金髪――ではなく、ルネリーが話しかけてきた。
「あはは、あのですね。その子は自分の名前を打ち間違えて気付かずに登録しちゃったんです。だから最初に考えてた名前とは違う名前になっちゃってたんですよ」
「……ふむ」
茶髪の少女の言動や行動を見るに、少しおっちょこちょいな所があるようだ。
名前を打ち間違える、そういうこともあるのだろう。
「……それで、何という名なんだ?」
「あう〜。えーと、その〜、ち、《チマ》って言うッス……。最初は《リマ》って付けたかったんスよ。でも
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