本編 第一部
三章 「戦火の暗殺者」
第十八話「友恵、参戦!」
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それは突然、この場の空気を切り裂いた。
「何ー?そんなはずはない。もう柔道部の連中がランニングにいってずいぶん経つぞ?
というか、もうこんな時間だ。どの部活もそろそろ終わる頃じゃないか!」
藤沢と豊村の顔がさーと青ざめる。
「おい、だれか外の様子を見に行ってくれないか」
「いっちゃダメです!!」
藤沢と豊村がそろって大きな声を出した。
「うん?おまえは藤沢か、島もいっしょか、なんだ豊村の帰りでもまっていたのか?」
「いや、豊村、すまないすっかり忘れていた。豊村、なんか危険な匂いがするんだ。だからおまえのとこに来たんだ」
「ああ、わたしもうっかりしていた。今、外の方から尋常じゃない嫌な感じがする、賢治、おまえも感じるだろ?」
「うん、なんだろう、空気が固体化したような。それに凄く上手く隠してはいるがこの淀んだ気は?」
「これはな、わたしは知っている。魔術の気配だ。だれかが魔術でここを攻撃しようとしてる。賢治、私と来い、いますぐ動かないと大変なことになる」
「よ、豊村さんどうしたんですか?」
「友ちゃん、大変なことになった。私のことは前に話したな。どんな相手がなにを起こしたかは分からないが、友ちゃん、この状況は最悪の場合、死人が出る。友ちゃんはここにいてくれ。わたしは賢治と今からそこへ行く!」
「わたしも連れてってください!」
「友ちゃん!?」
「古来より、達人の剣には、魔を打ち払う力があるといいます。わたしの持っている日本刀が、今日、なぜか妙にざわつくので私、ここに持ってきているんです」
「と、友恵君!君が、その若さで刀剣免許を持っているのは知っているがそんなものをまさか学校にもってきたのかね?」
「あとで、問題になるようなことがあったら、私の剣道家としての誇りにかけて全責任を負います。その時は剣道連盟から追放でもなんでもしてください。でも友達の危機を黙って捨て置く事は私はできない!」
「ふう、彼女が、なにかとてつもないものに関わっているのは感づいてはいたよ。豊村伊佐といったら、この学校でも有名だ。私たち、教師は、豊村が入学してくる時、文部省から正式な伝令を受けたよ。豊村くんは、日本の軍事上、政治的な立場によって十分に彼女の意思を尊重しなくてはいけないとね。そしてローマカソリックの法王からも電話がホットラインで来た日には学校中大騒ぎになったものだ。だから豊村 伊佐くんが危険だというならそうなのだろう。なら、友恵君、行きなさい。私は教師として全責任を負うよ。君は、我が剣道部史上、もっとも優秀な剣士だ。君なら彼女の力になれる」
「ありがとう、先生!いえ、前島師範!!」
「しかたない、友は本当に困った奴だ。だがほんとのこというと凄く心強い」
友恵は、そういうと自分のやけに大きい部活用のバックから、重そうなアルミ合
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