第二章 七話 駆け抜けるバウンゼィ
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ない反撃に転じた。
「ああ、そうかい!ならそのまま回ってな!」
実はギリアスは楽々と壁際に追い詰められたの彼自身の意思であった。
その壁際には、艦の制御コンピューターにアクセスできる機能を持った端末がついており、ギリアスは素早くそれを起動させて艦の重力発生装置【グラビティウェル】のスイッチを切ったのである。
無重力空間でコマを回すと重力や大気の影響を受けずにそのまグルグルと回り続ける。理論上永遠に。
無重力空間で人がコマのようにグルグルと回ると重力や大気の影響を受けずにグルグルと回り続ける。やはり、理論上永遠に。
「うおおおおおおおおおおお!?」
制動がきかなくなり回り続けることしかできなくなった老人が、止まる前にギリアスはスークリフブレードを一閃させた。
白銀の閃光が老人の体を横切るように閃き、後には何も残らない。
「ぐふっ......む、無念......」
最終的に結局名前さえ告げなかった老人は一文字に斬り捨てられてどうと倒れ伏した。
「なんなんだ、こいつ......強えのか弱ええのかわかんね......」
強敵を打倒したというのにイマイチ釈然としない様子でギリアスはブレードを軽く振るい付いた血を払う。
少し離れた場所ではリーダーの老人を倒され、動揺した海賊達をバウンゼィのクルーが草でも刈るように薙ぎ倒していた。どうやら白兵戦の決着もついたようである。
*
バウンゼィ ブリッジ
ブリッジの入り口には敵の侵入を防ぐために椅子や机でバリケードが敷設されたが、敵の殲滅を完了したとの報告を受けてブリッジクルー達はそれの撤去を行っていた。
「おう、お前ら無事だったか。」
ギリアスが通路の向こうから話しかけた。
「ええ。なんとかなりました。少し待っててください。もう少しで撤去完了しますので。」
しばらくしてバリケードを完全に撤去し終えると、ギリアスがブリッジに戻ってきた。
「ふぅ......」
一息ついて、そしてようやく大事なことを思い出す。
「ああああ!」
「ど、どうしました!?」
狼狽えるクルー。
ギリアスは忘れていた大事なことを告げた。
「レース......」
「あっ」
クルー達も海賊の襲撃のせいですっかり忘れていたようであるが、今はレースの真っ最中である。
「おい、今の順位は!?」
切羽詰まった様子ですギリアスが聞く。
「ええと......9863位です。」
このレースには合して10000ほどの艦艇が参加しているというが、ビリから数えた方が早い順位へと転落していた。
「なんてこった......」
ガックリと崩れ落ちて床に手をつくギリアス。
しかし、すぐに立ち上がると
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