第二章 七話 駆け抜けるバウンゼィ
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....まだケツの青い小童ではないか。」
「テメェ......」
ギリアスは怒気を孕ませながらブレードを握り直す。
「小僧、貴様の名を聞いておこう。なに、死者に対して敬意を表するのは儂の流儀。楽には死なせんがな。」
「俺はギリアスだ。ジジイ、今からてめえの息の根を止めてやる。なに、老いぼれてくたばるのがちっと早くなるくらいだ対した違いはねえだろうさ。」
「フフフ......いつまでそのような大口が叩けるか、見ものじゃのぉ......」
それ以外の言葉は不要とばかりに罵詈雑言の嵐をピタリと止めると老人と若者はブレードを構えた。
「参る!」
「来やがれ!」
瞬時に激突した。
互いのブレードが高速で衝突し、激しく火花を散らせる。
この時、少し離れた場所では老人の手勢とバウゼィのクルー達が熾烈な銃撃戦を開始している。
ギリアスと老人は二合、三合と次々に高速の斬撃を繰り出し相手の息の根を止めるべく火花を散らす。
「ふんっ!」
老人の振るうブレードは成る程確かに練達の0Gドッグであることを明確に示す隙のなく素早いものである。
「はっ!」
ギリアスも負けてはいない。なにせ、日々宇宙を制圧するべく侵略と支配に余念がない軍事帝国ヤッハバッハの皇太子候補、いわゆる戦闘民族である。
激しい斬撃でともすればブレードの切っ先が老人を掠める。
「ふむ......なかなかやりおる。」
老人は続く剣戟をいなし、腰から小型のブレードを抜く。二刀流の構えである。
「では、これはどうかな!?」
左右から高速で襲いくる必殺の斬撃。
ギリアスはブレードを巧みに操りそれを阻止するものの手数が増えると流石に攻勢に転じる余裕はないようである。
「チッ!こいつ!」
やむなく攻勢を断念して守勢に回るギリアス。
「ほれほれ、動きが緩んでおるぞ?」
老人は余裕を持ってギリアスを壁際に追い詰める。
クルーたちは未だに老人の手勢と銃撃戦の途中である。全体としては優勢であるが決着がつくまでまだ時間がかかるだろう。
せめて白兵戦用のスキル【一撃必中】や【制圧射撃】【必殺剣】などが使えればギリアスは完勝を収められるだろうが、如何せんどうも老人との経験不足は頑強な肉体の所有者であるヤッハバッハ人のギリアスにも埋められないようである。
「さてと、なかなか楽しめたが今後の予定が詰まっておるからの。そろそろ終いとさせてもらう。」
老人はギリアスにトドメを刺すべくブレードを竜巻のように振るう。当然自身もグルグルと横回転する。なかなかに間抜けな図であるが、当たれば五分刻みにされるだろう。
「我が秘剣【旋風】!逃れられんぞ小僧!」
しかし、ギリアスは機転をきかせてとんでも
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