第二章 七話 駆け抜けるバウンゼィ
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との因縁が決着の時を迎えようとしていた。
*
惑星アークネージ 都心
さて、やはり未だに激闘を繰り広げているギリアスを筆頭とするバウンゼィのクルー達とは打って変わって我らが白野は温泉から戻ってきたあとアークネージの都心の巨大ビルに設置された大型モニターでスペースシップレースの中継を見ながら首をかしげていた。
「ギリアスは中間集団にすらいないようだな…あいつらしくもない。一体どうしている?」
白野は無論知らないが激闘の真っ最中である。
しかし、ギリアス達がこの瞬間に海賊達を殲滅して直ちにレースに戻ったとしても最早優勝することはできないだろう。
故に白野はギリアスのバウンゼィを先頭集団にも中間集団にも確認できずに首を捻るのである。
まあ、ギリアスほどの奴がそうそう簡単に沈むはずもない。なにか事情があるにせよ、一人で乗り切れるだろうと白野はそう思っている。
そんな時、白野の所持している通信端末にユニコーンから連絡がくる。
「白野艦長、定期連絡の時刻が迫っています。至急ユニコーンにお戻りください。」
「わかった。10分でいく。」
白野は身を翻すと都心の人波に揉まれながら軌道エレベーターの方へと歩き始めた。
*
バウンゼィ 船内倉庫
「白兵だ!お前ら、すぐに武装しろ!」
ギリアスがそうクルー達に叫んで目の前に突撃してきた海賊の一人をスークリフブレードで切り捨てる。
振り返りざまに後ろから襲おうとした海賊のブレードを受け止め、腹に蹴りを入れてよろめいたところをバッサリと斬る。
「いたぞ!撃て!」
メーザー・ブラスターの殺人光線がギリアスを貫くべく次々と襲いかかるが、スークリフブレードの特性を利用してそれをまとめて弾くと障害物となるコンテナの影に一足飛びで飛んで隠れる。
それと同時に武装したバウンゼィのクルー達の反撃の銃撃が開始され、バウンゼィの倉庫は色とりどりの破壊的な光に満ちた。
「艦長、ここは我々で!」
「おう!頼むぜ!」
ギリアスはコンテナから飛び出すと別の区域に侵入を果たした海賊達を迎撃するために武装したクルーを率いて走り出した。
「......!」
船の通路の角で殺気を感じ、ギリアスは頭を伏せる。
すると、今までギリアスの首があった箇所にブレードによる強烈な斬撃が襲いかかる。外れたブレードは船の内壁に当たって耳障りな金属音を発した。
バックステップで距離をとったギリアスがスークリフブレードを構える。
コツコツという硬質な足音と共に、角から手勢を引き連れた一人の壮年の男が現れる。
男はギリアスの正面に立ち、ギリアスを上から下まで眺め回した。
「ほお......儂の船を沈めおった輩がどのような手練れかと思えば..
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