第二章 七話 駆け抜けるバウンゼィ
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有周波数に干渉するシールドをレイヤー展開するのが基本である。
しかし、急に展開しても十全の防御体制をとることはできない。干渉可能固有周波数を超過したレーザーがバウゼィの赤い船体に牙を剥く。装甲を削られながらも、バウンゼィィは突き進む。
「敵艦砲撃第二波来ます!直撃コースです!」
まさにこの時、バウンゼィは遂に黒いファンクスを完全に射程内に捉えた。
「行くぜ!」
ギリアスはここでコンソールパネルを操作して全砲門のエネルギーリミッターを完全に解放した。
【最後の咆哮】と呼ばれる艦船運用高等技術である。エネルギーコンデンサーの全てのエネルギーを砲門に回すまさに一撃必殺の砲撃である。ゲーム上ではクリティカル率を引き上げての全砲斉射になる。
当然エネルギーコンデンサーは空になるので終わったあとは艦の全能力に支障が出る。
まさに最後にしか使えない諸刃の剣である。
「全砲......発射!」
砲撃指示が下り、連装連射対艦レーザーがその強力な攻撃能力を余す事なく発揮する。
逃れようとしたファンクス級をパーティクルリデューサーが強引に押しとどめる。
蒼いレーザーの暴風が容赦無くファンクス級を蹂躙する。
そして、無限に続くかと思われた怒濤の砲撃にも終わりが来た。
「......やったか!?」
「......敵艦インフラトン反応拡散しつつあり。完全に機能停止のようです!」
砲撃の嵐を晒されたファンクス級は爆散はしなかったものの特徴的な羽のようなユニットは両方とも弾け飛び船体のあちこちから爆煙が上がっている。
アレでは船が形を保っていても中の人間は一溜まりもないだろう。爆発に巻き込まれて消え去るか、宇宙空間に吸い出されるか......そのどちらかである。
「やったか......ク、ククク......ハァーハッハハ!やったぜ!」
笑声をあげるギリアス。クルーたちもそれに釣られて笑い出す。
「やりました、やりましたよ艦長!」
「いやっほう!」
しかし、彼らの喜びは長くは続かなかった。
勝利に湧くバウンゼィの船体を振動が襲う。
勝利の高揚感に一瞬で冷水を浴びせて精神を冷却したギリアスはすぐさま船外モニターで何があったのかを確認する。
「…こ、これは!強襲揚陸艇です!」
「船外装甲45番破損!敵白兵、侵入して来ます!」
なんと、間一髪で逃げおおせたファンクス級の海賊達がギリアスとの決着をつけるべく船を放棄して強襲揚陸艇でバウンゼィに白兵戦を仕掛けてきたのだ。
「チッ!最後の最後までしつけぇ奴らだ!白兵戦ができるクルーは全員侵入箇所に急行!バリケードを築け!」
ギリアスは敵白兵の侵入を許した箇所にスークリフブレード片手にすっ飛んでいく。遂に黒いファンクス級
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