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宇宙を駆ける一角獣 無限航路二次小説
第二章 七話 駆け抜けるバウンゼィ
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が宇宙空間で宿敵に再開した頃、白野はというとシフトが終わったので地上に降りてゆっくり観光と洒落込んでいた。
アークネージは流石首都星ということもあり惑星の地上をほぼ全て都会が占めている。
しかし、それ以外場所は割と自然が残っている。
ひとまず彼は軌道エレベーターの真下に位置する街の酒場で一杯ひっかけたあと、しばらくブラブラして酔いを冷ますとジオマグル(車。ここではレンタル制)に乗って(運転免許だって持っている)郊外の温泉へと向かった。

「ふぅ......」

湯船に引き締まった体を沈める白野。彼にしてみれば久し振りの地上での入浴である。
ユニコーンの中ではシャワーを浴びて日々を過ごす彼であるが、たまにはこういうふうに趣向を変えるのも良しとしている。
当然、頭には畳んだタオルが置かれている。
彼は今、湯船のなかにあって極楽とやらを感じていた。ちなみに本人は天国だの地獄だのはこれっぽっちも信じていない。そもそも神の存在にさえ否定的な彼である。

「ふぃ〜......」

冷静沈着にして正確無比な人格の所有者であるとはとても思えないだらけきった声である。
しばらく湯船に浸かって体を暖めた白野はやがて無造作に立ち上がると湯船から上がった。湯船から上がるとタオルを腰に巻いて牛乳を腰に手を当てながら一気に飲む......
というのが白野の望むところなのだが時代は進み風呂場に牛乳を持ち込む文化は断絶して久しいらしい。
生粋の日本人である白野はそれが少し寂しい。
脱衣所のカゴの中に綺麗に畳んだもうすぐ3年の付き合いになる黒い空間服を着込む。
壁に立てかけた愛用のスークリフブレードを腰に刺し、白野は温泉をあとにする。



コールドレーン
バウンゼィ ブリッジ

バウンゼィのブリッジで瞬く間に迎撃準備の指示を終えたギリアスは口元に好戦的な笑みを浮かべていた。
雪辱の機会がこうも早く巡ってくるとは、どうも彼は運がいいらしい。

黒いファンクス級にもわざわざマゼラニックストリームくんだりからここまでやってきたのには訳がある。
ネージリンススペースシップレースは結構長い歴史をもつレースなので、開催日なども当然決まっている。とくに速度を上げるために装甲を削ってスピード重視にする改造が施された船が多く参加するため実に襲いやすい。エンジンにいいものを使っている船も多いから沈めて売れば相当実入りの良い海賊行為となる。
そんなわけで餌の匂いを嗅ぎつけたサメのようにこの黒いファンクス級はネージリンス本星宙域まで出張ってきたのである。
そこで復讐のために気炎を上げているギリアスにばったり遭遇したのだ。
以前沈めかけた事もあり、近くにユニコーンもいないのでいいカモとして狙った......というのが今回の経緯である。

「さ
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