第二章 七話 駆け抜けるバウンゼィ
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初はもっと世俗的でドロドロとした目的からだった。
当時まだ駆け出しでペーペーだった白野は資金難に悩まされていた。
そこで、金策として民間用の輸送艦の設計図を取得したライセンスの権限を利用して海賊対策やペイロード増加の改良を施し、それを当時の知り合いの商人らに売って金にしたのである。
その他にも駆け出し時代は0Gドッグとしての才能を発揮する以上に商売人として能力を発現させなければならなかった白野だったのである。
「......ギリアスはどうしているかな?」
少しウトウトした頭でそんなことを考える白野である。先程街のモニターで見た時には先頭集団はおろか中間集団にすらバウゼィのバの字も見えなかったが、それはバウゼィが宿敵と雌雄を決していたからである。
「まさか死ぬとも思えんが......」
白野はゆっくりと立ち上がると近くの自販機でブラックコーヒーを購入して一気に飲み下し眠気を放逐した。
「ま、なるようになるさ。」
そう呟いて、彼は再び愛艦ユニコーンへと戻って行った。
*
惑星ニーズ 酒場
残念ながらレースに敗れたギリアスは、クルー達と残念会を開いていた。
金ならあった。抜け目なくギリアスはぶっ潰した黒いファンクス級からジャンクパーツをいただいていたのである。
それを売っぱらって当座の資金とした、というわけである。負けてもタダではおきない0Gドッグ魂である。
「残念!しかし次がある!」
「おうとも!」
「次は勝つ!絶対だ!」
「ようしお前ら、乾杯!」
「「「おおお!」」」
彼らは高らかに宣言するとビールのジョッキやワインのグラスを打ち鳴らした。
続く
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