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宇宙を駆ける一角獣 無限航路二次小説
第二章 七話 駆け抜けるバウンゼィ
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に気がついたのかリークフレア級四隻も加速を始める。
しかし、宇宙空間、地上を問わず加速し始めてからトップスピードに到達するまでには一定の時間がかかるのは不動の事実であるからして、バウンゼィが四隻の脇をかすめるように猛進して行った30秒後ほどにようやくリークフレア級はトップスピードに至る。
しかし、その頃にはバウンゼィはとっくに重力圏を逆用して更なる加速を行っており、いかに速力自慢のリークフレア級といえども追いつくことは不可能な状態になっていた。

「ひゃっほう!やったぜ!」

「やりました!」

快哉の声を上げるギリアス達。しかし......

「......!レーダーに反応あり!」

「なに!?もう追ってきたのか?」

「ちがいます、これは前方からの反応です。......これは!」

レーダー監視班が捉えたもの、それは撃沈された大マゼランの巡洋艦バスターゾン級であった。正確にはその残骸である。

「大マゼランの艦が......どういうことだ!?」

このレースでは艦への攻撃は禁止されている。
どこか監視の目が無いところで撃つにしても威嚇や牽制を第一目的としたものにとどまるであろう。撃沈すれば、ここは治安の行き届いた宙域であるから当然回収船が回される。航海記録装置を調べればどこでどうやって沈められたか一目瞭然なのだ。
そもそも一発や二発ていどの砲撃で大マゼランの巡洋艦が沈むはずも無い。本格的な戦闘の結果ならばまだしも......
ともかく、この撃沈されたバスターゾン級はギリアスの警戒心を最大レベルまで引き上げるのに十分すぎるほどのインパクトを持っていた。
彼はすぐさま指示を出す。

「船外、それにこの付近の戦闘エネルギー反応の確認、急げ!」

オペレーターが凄まじい速度でコンソールパネルをタッチして外からの情報を得る。

「残留エネルギー未だ多し。一時間以内に戦闘が行われていた模様。」

「ちっ!んじゃぁまだ近くにいるかのか......レーダー監視、付近をさぐれ!警戒レベル最大!」

「了解!」

レーダー監視班もオペレーターに習い凄まじい速度でコンソールパネルをタッチし、目を皿のようにしてレーダー監視を行う。
変化は、すぐに起こった。

「......レーダーに反応!艦船らしき高熱原体急速接近!」

「モニターで捉えました。映像、出します!」

「コイツ......!」

モニターに映し出されたそれは、まさに黒い旋風と言った方が的確な表現であっただろう。
かつてマゼラニックストリームでギリアスに屈辱的な敗北を強いたあの黒いファンクス級戦艦......それが、今まさに再び彼の愛艦バウンゼィに急速接近しつつあった。



アークネージ 地上

ギリアス
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