きれいな声
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っ!」
蹴りに続けて拳が決まる。
「あははははっ!いい気味ー!」
「いいきみ・・・」
大笑いするエンジェル。
それに同意するかのように、ヒビキが小さい笑みと共に呟いた。
「がはっ、ゲホッゲホッ」
ルーシィは倒れない。
どれだけ蹴られようとも、エンジェルを睨みつける。
「な〜に?その目。ムカツクゾ」
目を細め、エンジェルが問う。
ルーシィはそれに答えず、ただ一言言い放った。
「アリエスを解放して」
体を小刻みに震わせながら、ルーシィは言い放つ。
「は?」
「あのコ・・・前の所有者にいじめられてて・・・」
酷すぎるカレンからの仕打ちをルーシィは知っていた。
そして今、エンジェルからも酷い仕打ちを受けていた。
これ以上アリエスに辛い思いをしてほしくない・・・ルーシィは解放を願う。
「きゃあああああああああああっ!」
その左腕を、ジェミニルーシィがカエルムで斬り付けた。
溢れる血を抑えるように右手で傷を抑える。
「人にものを頼む時は何て言うのかな?」
溜息をつきながらエンジェルは言う。
傷を抑えたまま、ルーシィは頭を下げた。
「お・・・願い・・・します・・・」
出血は止まらない。
傷は痛む。
だけど、アリエスを解放してほしいという思いは変わらない。
「レオと一緒にいさせてあげたいの・・・それが出来るのは、あたし達星霊魔導士だけなんだ・・・」
目から涙を溢れさせ、ルーシィは願う。
ロキと敵対するなんてアリエスは望んでいない。
ロキもアリエスも、一緒にいる事を望んでいるはずだ。
「ただで?」
「何でもあげる・・・鍵以外なら、あたしの何でもあげる!」
星霊同士が一緒にいられるのなら、何もいらない。
ルーシィは涙を流し、叫んだ。
「じゃあ命ね」
――――しかし、その願いをエンジェルは一言で切り捨てる。
ルーシィが死んだ場合、所有者を失った星霊達は契約が解除される。
そうすればルーシィの持つ鍵は全てエンジェルのものとなるのだ。
「ジェミニ、やりなさい!」
今のルーシィに次の攻撃を避ける力はない。
所有者の命令に従い、ジェミニルーシィはゆっくりとカエルムを持つ右腕を上げた。
――――――そして、止まる。
「ジェミニ!?」
動きを止めたジェミニにエンジェルが声を掛ける。
目の前で座り込むルーシィを、ジェミニはぷるぷると小刻みに震えながら見つめていた。
その口が、ゆっくりと開かれる。
「きれいな声が・・・頭の中に響くんだ」
ルーシィの声とジェミニの声が重なる。
ジェミニはコピーした人間の容姿・能力・思考を始めとする全て
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