暁 〜小説投稿サイト〜
Element Magic Trinity
きれいな声
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獅子の光(レグルス)を、アリエスは両手にもこもことした羊毛を纏い、駆け出す。
お互いの主の為に・・・戦いたくない相手と。

「あっれ〜?やるんだぁ?ま・・・これはこれで面白いからよしとするゾ」

バキッ、ドカッと音が響く。
ロキが光を纏った拳でアリエスを殴り、負けじとアリエスは羊毛をロキに向かって放つ。
その戦いを、ルーシィは見ていられなかった。
俯き目を閉じ目を背け、獅子宮の鍵をその手に持つ。

(違う・・・こんなの間違ってる・・・)

何故3年ぶりに再会した2人が傷つけ合わなければならない?
何故かつて友だった2人が、所有者(オーナー)の為という理由1つで戦わなければならない?
それが星霊の誇りだとしても・・・ルーシィには見ていられなかった。

「う〜ん・・・さすがに戦闘用星霊のレオ相手じゃ分が悪いか・・・よーし」

ロキとアリエスでは明らかにロキの方が攻撃力が高い。そして戦闘用星霊である為頑丈に出来ている。
それを見たエンジェルはアリエスの鍵ともう1つ・・・銀色の鍵を手にした。

「開け、彫刻具座の扉」

鐘の音が響き、魔法陣が展開する。

「カエルム」

エンジェルが新たに呼びだした星霊は、機械のような形をしていた。
そして呼び出されたと同時に、カエルムからレーザーが発射される。






―――――――――そのレーザーは、貫いた。







――――――敵であるロキと、味方であるアリエスを。







「!」
「がっ!」
「いぎっ!」
「あははっ!上手くいったゾー♪」

そのレーザーに迷いはなかった。
カエルムとロキの間にいたアリエスを確実に巻き込むように、直線でレーザーは放たれていた・・・。

(味方の星霊ごと・・・)

ルーシィの目が見開かれる。
一瞬にして貫かれた2人の星霊を、ルーシィは呆然と見つめた。

「アリエス・・・」
「レオ・・・」

苦痛に表情を歪めながら、2人はお互いに手を伸ばす。

「すまない、ルーシィ」

貫かれたダメージは大きく、2人は星霊界へ帰る。
その体は金色の光の粒子になるかのように(くう)へと吸い込まれていく。

(いい所有者(オーナー)に会えたんだね)

2人の戦いは終わりを迎える。
その戦いの幕引きは・・・何とも非道な行いによるものだった。

(よかった・・・)

お互いに伸ばされた手。
その手は届く事なく――――届く前に、2人は星霊界へと帰っていった。

「ぐっ!」
「ああっ!」

ルーシィの目の前で、2人は星霊界へと帰る。
機械音を立てながらカエルムが剣のような形状へと姿を変えた。

「見たかしら?これが二体同時開門
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