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きたりておがめ
1980年
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かんない?
 俺も。
 つまるところ、暇つぶしを真面目に探していたら異なる地獄を行き来できるようになったのだ。
 これに比べたら地獄の多元構造など完全にどうでもいい事柄である。
 他の地獄に行き来して……感覚が狂ってよくわからんが、多分百余年くらいで暇つぶしに成功した。
 そう、地獄の連中とは異なる会話相手を見つけたのだ。
 
 その相手はハオと名乗った。
 
 
 
 
 
 地獄 約-120年
 
 地獄めぐりをしていて気づいたのだが、和風ばかりだ。
 和風という表現が正しいのかわからんが、生前イメージしていたモノにかなり近い。
 洋風はないのだろうかと探してみたが見当たらなかった。
 俺が日本人だったからなのだろうか。
 それとも管轄が違うからか。
 みたいな話をハオにしてみる。
 完璧な思いつきである。
 それに対するハオの答えは、西洋地獄とかあるとのこと。
 なん、だと……!?
 
 みたいな感じで気が向いたら遊びに来ているのだ。
 遊びに来るとハオは歓迎してくれるのだが、地獄の連中はそうでもないようだ。
 なんというか愛想が無い。
 凄くおどろおどろしい雰囲気で満たされていて、陰気でしょうがないし。
 地獄アピールが半端ない。
 「俺たち、地獄マジリスペクトっすから」とか言い出しそう。
 やべぇ、超裁かれそう。
 
 他には生前はエヴァンゲリオンの新作を見終えることができなかった、とか。
 まあ、ハオは陰陽師や妖怪がイケイケだった時代の人らしいので俺の言葉は伝わらないのだが。
 テレビとかどう伝えればいいんだろうかと悩んだりする。
 なので、俺の話ではよく首を傾げていることが多い。
 異なる地獄に行くと現世の時間の流れが違うのか、ジェネレーションギャップが厳しいことが多々あるのだ。
 
 そんなハオだが陰陽師レボリューションの500年後にも記憶を持ったまま転生した経験もあるのでナウでヤングを名乗るには無理があるのだ。
 だから俺もナウでヤングじゃないのだ。
 肉体は若かったが、魂は地獄でふらふらしているから……。
 年を考えると訳が分からなくなってきた。
 地獄では時間が気にならなくなるが、もうちょっと繊細に生きようと思う。
 死んでるけど。
 
 やはり雑談こそ人間の叡智だと理解できますね!と萎えた気分を盛り上げる。
 いや、獄卒鬼とかでも出来る奴がいるけど。
 でも、あいつら話題がバイオレンスで超常的で、人間の俺には難しいから好きじゃない。
 あと日本語を喋られないのばかりで困る。
 
 えーきさまを見習うべき。
 説教がめっちゃ長い以外は女神だから。
 閻魔なのに女神級に可愛いとか反則やでぇ……。
 地獄の連中があれくらい可愛かったら
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