第二十四話 自分自身
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り返った。でも、その仕草が私にはわざとらしく見えて、私は少し表情を曇らせながら、
ル「だーかーらー!「どうしたの?」ってさっきから聞いてるんでしょうがーっ!」
シ「そ、そんな大声で言わなくても聞こえるっての。鼓膜破れるじゃねぇか。」
シンは両耳の穴を人差し指で塞ぎながら顔を顰める。さっきまで聞こえてなかったくせに。
ル「で、どうしたのよ?」
ムスッとした表情で尋ねると、
シ「いや・・大した事ねぇけど・・・」
そこまで言うと、シンはもう一度視線を連行されていく赤面の吸血鬼の魔道士に向ける。
シ「俺が戦った赤面の吸血鬼のS級魔道士の姿が見えねぇんだ。」
ル「えっ?」
・・・最初にシンが言ったとおり、大した事無かった。なぁ〜んだ、聞いて損しちゃった。
ル「あんたが見逃しただけなんじゃないの?」
シ「それはぜってぇ〜に有り得ねぇ。だって、俺赤面の吸血鬼の魔道士が連行されるとこ、最初っから全部見てたんだぜ。」
そういえば、シンはずっと赤面の吸血鬼が連行されていくのを見てた気が・・・
ル「じゃあ、まだ出て来てないんじゃない?きっと最後の方に出て来るわよ。」
私が言い終わったのと同時に、長い長い赤面の吸血鬼の魔道士達の列の終わりが来た。一番後ろにいるのはナツが倒した赤面の吸血鬼のギルドマスター、ペギルだった。
シ「・・・どこにもいねぇ。ユウヤが、消えた・・・・」
シンが小さく呟いた。
シ「全身黒ずくめだったからすぐ見つかると思ったんだけどなぁ〜。」
シンは悔しそうに髪の毛がぐしゃぐしゃになるまで頭を掻く。
ル「ねぇ、何でその黒ずくめの人を捜してるの?」
シ「俺が戦った赤面の吸血鬼のS級魔道士、俺と同じ『十二支』の血を持つ人間だったんだよ。」
ル「えぇっ!?」
私は目を見開く。『十二支』の血を持つ人間って・・・闇ギルドにも存在するんだ・・・・
シ「俺も最初は驚いた。それに、今回戦った奴は意味の分かんねぇ事を言ってたんだ。」
ル「意味の分からない事?」
私がもう一度聞き返すと、シンはゆっくりと頷いて、
シ「「赤面の吸血鬼が、俺の最後。」って言ったんだ。」
ル「?」
俺の最後?赤面の吸血鬼が?さっぱり意味が分からない。
シ「俺は、まだ自分が持っている『能力』の事、自分が挑む『お釈迦様』の『任務』の事、他の『十二支』の血を持つ十代目の事・
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