二学期
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にしてもらってもいいかな?」
「私は別に構いやしないぜ。帰っても暇だしな」
響は言うと一夏を見据えながらニヤリと笑った。
生徒会室を後にした響と楯無、一夏はIS学園の中にある畳道場の中にいた。
3人は紺色の袴と、白い道着に身を包んでいた。
「さて、んじゃあはじめるか。ルールはどうすんだ楯無」
「ん、一夏くんが響ちゃんを床に伏せられたら勝ち。一夏くんが戦闘不能になったらそこで終了」
「りょーかい」
響は拳を打ち鳴らし、一夏を見据えた。しかし、一夏はまだ納得がいっていないのか楯無に聞いた。
「けど楯無先輩。そうするとかなり響が不利になるんじゃ」
「大丈夫だよ。響きちゃん強いから。でしょ?」
「おう。安心しろ一夏、お前に倒されることはねぇから」
笑いながら言う響に一夏はムッとするが、構えを取った。
「行くぞ響。手加減なんかしないからな」
「好きにしな。私も手加減する気もねぇし」
それを聞いた一夏は響との距離を詰めに入り、無防備な彼女の腕を取った。
……取った!!
その瞬間確かに一夏は確信した。同時にこのまま行けるとも思った。しかし、
「甘すぎだな」
そんな声が聞こえたかと思うと、次の瞬間、一夏は浮遊感に襲われた。だが、その浮遊感も長くは続かなかった。
ガンッ!! という音と共に彼は壁に背中から叩き付けられた。同時に一夏は肺の中に入っていた空気を全部吐き出し、一瞬息が出来なくなった。
「おいおい一夏よぉ。弱すぎだろお前、私投げたいならもっと力込めとけや」
平然とした様子で言う響だが、一夏は未だに自分がどうしてこうなったのかわからずにいた。
……どうして投げられたんだ? あの時俺は確かに響の腕を取ったはずなのに。
「わかってないみたいだから教えてあげようか一夏くん。響ちゃんは何の小細工もしてないよ。ただ君を投げただけ、君に掴まれたからそのまま力だけで君を壁までぶん投げただけだよ」
楯無の説明を聞いた一夏は驚きをあらわにしていた。それもそうだ、掴まれたからそれをぶん投げるなど普通ではありえないことだからだ。
「ホレどした、もう終わりか?」
「まだ、まだだ!」
一夏はゆっくりと立ち上がると、もう一度響対峙した。響もまたそれを面白そうに笑うと、
「んじゃあ今度はこっちから行くぞと」
彼女が言うと、彼女は先ほどの一夏とは比べ物にならない速さで彼に肉薄すると、一夏の鳩尾に強烈な拳を叩き込んだ。
「ガハッ!?」
先ほどの壁にたたきつけられた時の衝撃のほうが優しいのではないかと思うほど、響の拳は強かった。あまりの衝撃に一夏はその場に膝をついた。
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