二学期
[2/8]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
み物でも頼んだの?」
「いんや? カツ丼とから揚げ丼頼んだだけだ」
「……Quoi?」
「急にフランス語に戻るなし」
響の特殊な頼み方にシャルロットはかなり驚いてしまったのか、言葉がフランス語に戻ってしまっていた。響はそれを治すためシャルロットに軽めのチョップを打ち込んだ。
「あうっ! ……ごめんごめん。響が凄い頼み方するから戻っちゃった」
「そんなに驚くことか?」
「そりゃあ驚くよ……。だってどっちも揚げ物だし、かなり高カロリーだよ? 響ってカロリーの心配とかしないの?」
「あんまし気にしたことはねぇな。それに私食っても太らない体質だからな」
あっけからんとした様子で言い放った響だが、それを聞いていたシャルロット、そしてその他の女子生徒がその場にがくりと膝をついた。
「そんな……」
「なんでや……」
「神は不公平だと思う……」
口々に落ち込んだ言葉を漏らす皆の様子に響は肩を竦ませ呆れたような表情のまま、食券をカウンターに持ていった。
数分後、カツ丼とから揚げ丼を受け取った響は未だに四つん這いで落ち込みをあらわにしているシャルロットに告げる。
「先に席取ってるからなー。なるべく早く立ち直れよー」
そのまま響は窓際の席に去って行った。
その後、何とか立ち直ったシャルロットも食券を買い響が座っている席までやって来た。
因みに後にやって来たセシリアとラウラにシャルロットが同様のことを告げると、セシリアはかなり落ち込んでいたが、ラウラはさほどでもなかった。
翌日、今日は朝から全校集会があるとのことだったが、響は例によって屋上でサボっている。時折大あくびをしながら眼下に広がる風景を俯瞰してみるが、何か面白いことはこれといって何もない。
「あー……暇だ。かといって集会に行きたくねーし」
ゴロンと仰向けになり、澄んだ空を見上げるが響はつまらなそうにしている。
「つーかやることなんざわかってるのに出席する必要もねぇんだよなぁ」
楯無の話では今日の全校集会で学園祭のことや、学園祭での一夏争奪戦を全校生徒に告げるらしい。しかし、響は既にそれらの情報を知っているため出る必要がないのだ。
「それに言ったってうるせぇだけだし」
と、響がそこまで言ったところでホールがあるほうから黄色い歓声が上がった。屋上なのでそこまで大きくは聞こえないが、ホール内ではすごいことになっているだろう。
しかし、一回おさまった歓声はまたしても上がった。いや、今度は歓声と言うよりも雄叫びと言ったところだろう。
「……はぁ、行かなくてよかった」
響は呟くとそのまま目を閉じた。
同日
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ