第13話 死亡確率99.9%!? 男は最後まで諦めず走り続ける生き物也
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ようだ。そして、その記憶に彼の父が深く関わっているようだった。
そんな番の顔を見てか、恵もまた申し訳なさそうな顔をしだしてしまった。そんな恵を見て、番がそそくさと慌て始めた。
「ほ、ほら! 辛気臭い話は後にしてよぉ、とっとと飯の支度しようぜ! でないとおっちゃん帰って来ちまうからよぉ!」
「そうね、早く帰って夕食の準備しないとね。きっと駒木さんお腹空かせてるかも知れないし」
改めて帰り道を急ぐ三人。だが、この時番はすき焼きの魔力に魅了されていた為に、上空からその光景を一部始終見ている存在に一切気付く事がなかった。
それが、この後起こる惨劇の序章だとは、誰も気付かない。って言うか、気付かれると困るのだが。
***
「あ〜、腹減ったぁ」
署長室から出てきた駒木は、大層不機嫌な面をしながら署内を歩いていた。今日は折角の非番だったのに、スーパーでたまたまでくわした万引き強盗を駆除したせいで警察署に出頭命令が食らい、そして署長に大目玉であった。
普通なら其処で首物なのだが、生憎駒木から警察の資格を剥奪した場合番町全域の青少年を敵に回す事になってしまう。この町が不良の多い町の割りに青少年犯罪が少ない原因の大きな一つとして駒木の存在が挙げられてるのだ。
彼の存在なくして青少年犯罪の根絶は有り得ないのである。
「おいおい、また駒木がやらかしたらしいぜ。何でも今度は中年親父の両手両足を再起不能なまでにへし折った後でぎっくり腰を患ってた腰に更に打撃を食らわせたって話だ」
「違う違う、打撃じゃなくてアルゼンチンバックブリーカーだよ。ま、軽く海老反り状態だったらしいけどな」
回りでは警察官たちのヒソヒソ話が聞こえて来る。が、それに一々目くじらを立てる気など駒木には毛頭ない。折角の休日をこれ以上此処で過ごす気などない。それよりも自分を慕ってくれている轟家に居た方がよっぽど居心地が良い。
それに、あそこには彼女が居るし―――
「おい、駒木!」
「あん?」
駒木を呼んだのは捜査一課の人間だった。一応モブキャラなので名前はない。
そんな一課の人間が駒木に対して睨みを利かせて立っていた。
「何だよ。俺今日休暇なんだけど」
「今後俺達の捜査に首を突っ込むのは止めてくれないか? 貴様が入る度に捜査が滅茶苦茶になるんだ!」
「何言ってんだよ。俺が捜査に加わったお陰で迷宮入りしそうになった事件全部解決してんじゃねぇか。礼を言われてこそすれ、邪険に扱われるような事したつもりはねぇぞ」
「こっちにだって手順ってのがあんだよ! 禄に証拠も集めずにお前の野生の勘だとか元不良の勘とかで一方的に犯人をボコってたらこっちの印象まで駄々下がりなんだ!」
実際問題捜査一課が捜査に難航していた事件を駒木は全てそ
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