第13話 死亡確率99.9%!? 男は最後まで諦めず走り続ける生き物也
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そんな訳で長い冒頭シーンから暫く経ったのが現在ってな訳で、今番と真の二人は隣の山田さんの家にやって来た次第であり。
これから山田さんの家に大量発生した鼠の捕獲作業に取り掛かろうと思ったのだが―――
「あらぁ、一足違いだったわねぇ番ちゃんに真ちゃん。つい今さっき業者さんにお願いして家の中で大発生した鼠全部駆除して貰った後だったのよ」
「な、なんだとぉぉぉぉぉぉ!!!」
苦労してやってきたと言うのにこの始末。余りにもあんまりな報せに番と真は揃ってショックを受けてしまった次第であった。
「くそぉ! 後少し、あと少し早く到着していれば……俺達が鼠全部捕獲出来たってのによぉぉぉ!」
「それもこれも全部、兄ちゃんがあの不良達相手にドキドキ解体ショーなんて訳分かんない事やったせいだよぉ!」
「るせぇ! そう言うてめぇだってノリノリでチェーンソー振り回してたじゃねぇか!」
「兄ちゃんなんて笑いながら臼と杵持って来てたじゃん! あれで何突くつもりだったんだよ! 不良なんて突いたって餅になんないんだぞぉ!」
仕舞いには兄弟同士で醜い罪の擦り付け合いを初めてしまった。食べ物が絡むと此処まで劇的に変わってしまうのも人だったりする。
「くそぉ、兄ちゃんのせいで今夜の晩飯はまたキャベツの浅漬けにパンの耳じゃないかぁ!」
「くそぉ! 考えてみたらもう米家にないんだった! せめて、せめて俺達に動物性タンパク質をくれぇぇぇぇ!」
側から聞いてるとかなり悲惨な生活を送っているようだ。しかし誤解を招くようなので解釈させて頂くと、悲惨なのは食生活だけで他は案外普通だったりする。
「た、大変よねぇ番ちゃん家も、でもそれで家の電気代は払えてるの?」
「あぁ、幸い電気、ガス、水道は問題ないんすよ」
「何で? どっか払ってくれる宛でもあるの?」
「前に俺ん家の土地を持ってたヤクザの組を俺の親父と爺ちゃんが締め上げて組崩壊寸前までしたんすよ。そしたらそいつら何でもするから組潰すのは勘弁して下さいって言ってきたんで、そいつらにそっち系の支払い任してるんすよ」
どうやら番の家がある土地は以前まで幅を利かしていたヤクザ達の土地だったらしい。だが、その土地が欲しいが為に番の父と祖父が二人掛かりで襲撃したらしい。その為、番達は自宅がある土地とほぼ無限に使用出来る電気、ガス、水道を手に入れたのである。
だが、この支払いに食費は別料金だったらしく、その手の節約の為にこうして番達は毎日ひもじい日々を送っているようなのだ。
「兄ちゃん、鼠は増えるのが早いから、もしかしたらまだ他の家にも居るかも知れないよ!」
「そうだ、まだ今夜の晩飯に肉が入らなくなったって決まった訳じゃねぇ、こうなりゃ草の根分けてでも探し出せ! でなきゃ、マジで今夜の晩飯は肉抜きのキャベツ
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