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勇者番長ダイバンチョウ
第13話 死亡確率99.9%!? 男は最後まで諦めず走り続ける生き物也
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くなり口には無数の牙が生え揃っている。
 正に悪魔と証するに相応しい姿だといえた。
「てめぇ、一体何者だ!?」
「初めて会うなぁダイバンチョウ。俺様こそがゴクアク連合軍を束ねる者にして、ゴクアク組の組長、ゴクアク星王だ!」
「つまり、てめぇがボスって事かよ。わざわざぶちのめされに出向くたぁ良い根性してるじゃねぇか!」
「ふん、ぶちのめされるのは貴様のほうだぞダイバンチョウよ。貴様今がどんな状況かまるで理解していないようだな。忘れたのか? 今の俺様の元には貴様の大事な母親が居ると言う事を」
 その言葉はまるで番を雁字搦めにしてしまったかの様に動けなくしてしまった。
 番だけじゃない。駒木ですらその一言の為に身動きすら出来ない。
 二人にとって、轟恵はとても大事な存在なのだ。それを知っているが故の策謀であった。
「フフフ、積年の恨み今こそ晴らす時よ。死ね、ダイバンチョウ!」
 ゴクアク星王が右手を振り上げた瞬間、四方の壁から音がした。かと思った時には番の体中には鋭利な刃物が突き刺さり鮮血を辺りに散らばらせていた。
「んぐあぁっ!」
「番!」
 駒木の目の前で番が体中から血を噴出しているのが見える。しかし、その瞬間駒木の体にも同じように刃物が突き刺さり、同様に血を流す事となった。
「ガハハハハッ、良い様だな! 今まで俺様のビジネスの邪魔をした報いだ! 思う存分苦しんでから死んでくれ給え」
「び、ビジネスだとぉ?」
「そうよ、お前達の住んでる地球はそれは美しい星だ。こう言った星は高値で売れるんでなぁ。良い取引になるんだよ」
 宇宙広しと言えども地球の様に青くて美しい星はそうそうない。その為、宇宙貿易に置いてこう言った星にはとてつもない値がつけられる事もさほど珍しくないのだ。
 だが、近年宇宙法に置いて星の売買は厳禁とされており厳しい包囲網が敷かれている。
 だが、そんな事で諦めるゴクアク組ではない。表で駄目なら裏ルートで、裏が駄目なら裏の裏ルートで売り捌けば良いだけの話。
 悪の悪と言う隅々の悪を知り尽くした奴らこそこのゴクアク組なのである。
「貴様等地球人が居ては星の価値が下がる。よって貴様等地球人を滅ぼして、綺麗な状態で売りに出したいのだよ。だが、貴様が一々邪魔をするせいでビジネスにならんのだ! この間は折角完成間近だった宇宙麻薬を全て灰にしやがって。あれの損害幾らだと思ってるんだ!」
「るせぇ! 宇宙の単価なんか知るか! 大体人ん家に土足で入り込んだ上にいちゃもんつけやがって!」
「ふん、良いだろう。貴様がそう出るのならこちらにも考えがある」
 先ほど命令した手とは別の手で指示を出す。すると、ゴクアク星王の後ろの壁が音を立てて開き、奥の部屋が露になる。其処には白い台座の上に仰向けで寝かされている母恵の姿があった。
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