第13話 死亡確率99.9%!? 男は最後まで諦めず走り続ける生き物也
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けようがない。
「不味い、逃げるぞ番!」
「くそぉっ、これで勝ったと思うんじゃねぇぞ馬鹿野郎!」
捨て台詞を吐いて番と駒木は走る。その後ろで丸ノコが猛烈な勢いで迫って来ているのが勘で分かる。
それも二人の走る速さよりも断然早い。
このまま走り続けていればやがて丸ノコが二人に追いつきミンチにされてしまうのは明白の事だった。
「くそぉっ、あんな円盤如きに切り刻まれたんじゃぁ轟番の名が泣くってもんだぜ!」
「こうなったら、やるぞ番!」
「おう、あれをやるんだな!」
互いに頷きあい、そして振り返り丸ノコを迎え撃つ姿勢を取った。そんな二人に向い容赦なく迫る丸ノコ。鋭い数万本の刃が高速で回転し、二人を切り刻もうと心を持たない機械が迫ってくる。
「必殺、真剣白刃取り!」
「同じく横バージョン!」
突如、丸ノコは動きを止めた。番が縦の刃を白刃取りし、同じく駒木が横の刃を白刃取りしたのだ。
常人では真似出来ない一発勝負に二人は勝ったのだ。そして、そのままの勢いで恐怖の丸ノコを真っ二つにへし折ってしまった。
刃が折られたのでは丸ノコの意味がない。そそくさと機械は退散してしまった。
「へっ、この程度で俺達をミンチに出来ると思ってんじゃねぇぞ馬鹿野郎!」
「俺達を驚かせたいんだったらもっと度肝を抜いた奴を持って来い!」
丸ノコを制覇し、すっかり余裕の表情を見せる両者。だが、敵の罠はまだまだこれからであった。
【では、そうさせて貰うとしようか】
余裕の声が響く。その刹那、現れたのは不気味な色をしたゲル状の物体だった。その色合い、臭い、全てに置いて禄でもない代物だと言うのが分かる。その証拠に遥か数メートル前にあった丸ノコの刃がゲルの中に取り込まれた瞬間数秒と経たずに溶けて無くなってしまったではないか。
溶解性質を持った粘液が津波の如き勢いでこちらに迫って来ているのだ。
「くそっ、一々えげつねぇ手を使いやがって!」
「流石にこいつをどうこうするのは無理だな。逃げるぞ番!」
此処で倒れる訳にはいかない。ましてや骨も残さず溶けてなくなるなど論外この上ない。
怒涛の様に迫る溶解液の波から逃れる為にオリンピック選手並のスピードでひたすらに石造りの通路を走り続ける番と駒木。
だが、人間何時までもそんなスピードで走り続けられるだろうか?
否、本来なら走り続けられない。普通ならもってせいぜい1〜2分程度が限界だろう。まぁ、それは一般人であればの話なのだが。
そして、この二人の場合同じく1〜2分程度の時間で我慢と言うなの限界が途切れてしまったのだが。
「いい加減にしやがれこのゲル野郎がぁぁ!」
二人揃って叫び、思い切り地面を踏み抜いた。石造りの床はその衝撃で崩れ落ち、二人の目の前に巨大な亀裂となってポッカリと大穴が
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