第13話 死亡確率99.9%!? 男は最後まで諦めず走り続ける生き物也
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持たれており、それらが全て番に向って振り放たれていく。
それらが番の目の前に来た刹那、番の両目がギラリと輝き、彼の体内に眠る本能を呼び覚ました。
「喧嘩舐めんじゃねぇぇぇ―――!」
その一言が怒号の如く放たれた直後、喧嘩は終了した。一瞬、正に一瞬の出来事だったと言える。
殆どの不良を拳一発で宙に舞い上がらせ、そして地面に激突させた。外野側から見れば番が一発で仕留めたと思えるだろうが、実際は目にも留まらない速さで不良達の急所に打撃を浴びせて卒倒させたのだ。
ゆえに殆どの不良達が白目を剥いて倒れている。中には口から泡を噴いている輩も居るし顔面蒼白して殴られた箇所を必死に押さえて悶え苦しんでいる輩も居たりする。
そんな奴らを尻目に番は公園を後にした。
「俺と喧嘩したいんだったらもっと腕と魂を磨いてきな」
不良達に背中を向けつつ、最後の捨て台詞をバッチリ決めて、番のその日の喧嘩は終了した。不良達の事なら放って置いても問題ない。あそこの公園は人通りが多い。いずれ通りかかった人が救急車を要請して、あいつらをミイラ男にして病院のベットに寝かしつけてくれる事だろう。
「は〜あ、ったく詰まらねぇ喧嘩しちまったぜ」
歩道を歩きながら番は深く溜息をついた。此処最近ゴクアク星人達との激闘は相変わらず続いているのだが、それも最近物足りなく感じて来たのだ。
勿論苦戦する事もあるにはある。だが、相手はその名の通り卑怯な戦法を使ってくる極悪非道な連中ばかりなのだ。そんな奴らをぶちのめす事に番は次第と飽き始めてきたのである。
「宇宙にはもっといねぇのかよぉ〜。腕っ節が強くて真正面から喧嘩を吹っ掛けてくるような男気のある奴ってのはよぉ」
天を仰ぎながら空しく呟く番。そんな無理難題を仰られてもどうにもならないのが現実だったりするのだが。
そうこうしていると、背後から誰かが走ってくる足音が聞こえた。
響く音からして子供の足音だと分かる。その足音は番の丁度真後ろ辺りにまで近づくとパタリと音を止めた。
振り返ると、其処には息を切らせて膝に手を当てている真のそれがあった。
「何だ真。そんな息切らして一体どうしたんだよ?」
「に、兄ちゃん。一大事だよ!」
「何が一大事だってんだ。お天等さんが綺麗に輝いているこのご時世に一大事だなんてある訳ねぇだろうが」
天を指差して豪語する番。確かに今日の天気は快晴、雲一つ無い絶好の洗濯日和だった。
だが、真が言いたいのはそんな事じゃない。とても重大な事実だったのだ。
「そうじゃないんだよ! 出たんだよ。隣の山田さんの家に!」
「出たって何が?」
「鼠だよ! 鼠の大群! それも20匹以上は居るって話だよ兄ちゃん!」
「それを早く言いやがれぇぇ!」
その事実を聞くや否や脱兎の如きダッシュ力で道
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