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久遠の神話
第八十八話 強くなる水その十四
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「バランスもよくないからね」
「そういえば村山さんっていつも食べものはお肉でも」
「何でも出すでしょ」
「うん、お魚だって小魚とかだけじゃなくて」
「そう、何でもバランスよく食べないと」
「白い御飯もよね」
「御飯もね」
 それもだというのだ。
「ほら、玄米とか麦の御飯だけってね」
「玄米もね」
 玄米と聞いてだ、上城は微妙な顔になった。今二人は校舎の中庭のところを二人で歩きそうしながら話している。
「食べ慣れないとね」
「辛いわよね」
「ちょっとね」
 実際にそうだと答える上城だった。
「麦の御飯はともかく」
「白い御飯は何だかんだで美味しいから」
 俗に白米を並び換えれば粕という字になると言われる、しかし粕はただの粕ではないことは文字通りの粕も同じだ。
「だからね」
「否定出来ないものだね」
「実際広岡さんヤクルトでも西武でも最後は」
「後味の悪い辞め方してるよね」
「もっと言えばロッテでもね」
 ゼネラルマネージャーの時である。
「そうした辞め方だったじゃない」
「選手はストレス溜まるんだね」
「食事制限があるとね」
 どうしてもだというのだ、そのことは。
「そうなるから」
「ボクサーなんか凄いらしいしね」
「そう、だから」 
 それでだというのだ。
「選手がいつもついて来ないみたいなのよ」
「じゃあ采配とかチームの編成や戦略はよくても」
「人望はないかもね」
 それが広岡の難点ではないかというのだ、樹里はわりかし真剣に話す。
「あの人は」
「ううん、そういえば近鉄の監督になっていたかも知れないんだよね」
 ここで上城はこのことを話に出した。
「あの人って」
「近鉄バファローズよね」
「そう、あそこにね」
 今はオリックスバファローズになっている。
「あそこの監督になるって大体決まっていたらしいんだ」
「近鉄ってあの頃西本さんが監督だったけれど」
「その西本さんから直接次だって言われてたらしいよ」
「合わなかったんじゃないかしら」
 樹里は難しい顔で言った、自分が話を聞いて知っている西本の野球と広丘野野球を比べるとどうしてもである。
「近鉄に」
「うん、ちょっとね」
 上城も微妙な感じの顔で答える。
「合わないよね」
「だから多分近鉄に行ったら」
「近鉄は優勝してたかも知れないけれどね」
「それでも物凄い騒動が起こっていたわ」
 優勝はしたかも知れない、しかし騒動が起こっていたことは確実だったというのだ。
「あの人の場合はね」
「そう思うと残念ではあるね」
「名将であることは確かだからね」
 名将といえど人望があるとは限らない、ウェリントンにしても融通の利かない性格で兵士からは嫌われていた。
「私もそう思うわ」
「そうだよね」

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