第八十八話 強くなる水その十一
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「テューポーンだよ」
「ギリシア神話でも有名ね」
樹里はこの怪物達も知っていた。
「というか神話の中でも」
「最強と言ってもいいよ」
「物凄く大きいわよね」
「この地球に匹敵する位ってあるけれど」
「実際はどうなの?」
「流石にそこまでは大きくないと思うよ」
両手を広げれば世界の両端に届くまではだ。
「幾ら何でもね」
「そうよね、そもそも世界観っていうか」
樹里はギリシア神話の頃の世界観をここで言った、その世界観とは一体どういったものかというと、
「ギリシア神話の世界って平面よね」
「球体じゃなくてね」
「それで天動説よね」
「昔は大抵そうだよね」
多くの文化、文明でそう考えられていたのだ。
「そうよね」
「そう、だからね」
それでだというのだ。
「その中でのことだから」
「じゃあ実際のテューポーンの大きさは」
「流石に地球程じゃないけれど」
「それでも大きいわよね」
「ダイダラボッチみたいなものかな」
上城は日本の巨人の名前を出した。
「あれかな」
「ダイダラボッチね」
「富士山を作ったね」
それだというのだ。
「山に座っただけで」
「あの話って凄いけれど」
「他にも足跡で琵琶湖を作ったりとか」
ダイダラボッチには様々な逸話がある、それだけ途方もない巨大さを持っていた巨人なのだ。
「そういう話があるけれど」
「じゃあ本当に」
「そうした大きさかな」
テューポーンもだというのだ。
「まさかと思うけれど」
「とにかくかなり巨大なのね」
「そのことは間違いないと思うよ」
ダイダラボッチ程ではないにしてもだというのだ。
「ギリシア神話には他にも巨人がいるけれど」
「神様もそうだし」
聡美達もそうなる、彼女達の本来の姿だ。
「つまり上城君は神様と戦うのね」
「オルトロス達もそうだったけれどね」
本質的に神であるテューポーンの子だからだ、そうなるというのだ。しかしその親であるテューポーンはというと。
「その中でもテューポーンは遥かに強大だよ」
「主神みたいなものよね」
「ゼウス神でないと戦えなかったしね」
オリンポスの殆どの神々がテューポーンが来て適わないと見て逃げ出した、アフロディーテはその時に息子であるエオースと共に魚になって逃げたがこれが黄道十二宮の一つである双魚宮、魚座の話になった。
「だから」
「これまでとは違うわね」
「多分テューポーンと戦うとなると」
それはというのだ。
「まだ後だよ」
「それはよね」
「そう、僕はまだそこまで強くないよ」
「じゃあラドンと闘って」
「他にもね」
あるというのだ、闘いが。
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