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久遠の神話
第八十八話 強くなる水その三
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「全体から見ることよ」
「剣士もですね」
 その全体から決まる強さ、それは怪物だけでなく剣士にも言えることだとだ。上城はスフィンクスに問うたのだ。
「そうですね」
「そうよ、剣士もね」
「ただ剣があるだけじゃないんですね」
「ええ、持っているだけではね」
 それでだというのだ。
「駄目なのよ」
「そうですね、僕達も」
「剣の腕だけではなく身のこなしもあって」
「そうよ、力をどれだけ出せるのか」
 それもあるというのだ。
「わかったわね」
「はい、それじゃあ」
 上城はスフィンクスの言葉に頷いた、そして。
 彼はオルトロスが再び二つの口から炎を出したところでだ、その剣を一閃させた。
 するとその青い剣から氷を出した、しかもそれはただの氷ではなかった。
 何重にも出した氷の壁だった、それが怪物の炎を防いだのだ。
 一重めは瞬く間に溶けた、二重めも。
 しかしそれが幾つも重なるとだ、これがだった。
 怪物の炎を弱めた、強さだけでなく勢いも。そして炎が動きを止めている間に。
 上城は全身に力を込めてまた跳んだ、今度は先程よりさらに斜めに。
 そうして炎を吐き続ける怪物の上に来た、そこで。
 剣を下にやりその剣に氷、先程のそれとは違い氷柱の如く尖ったものにさせて剣に帯させそうしてであった。
 怪物の背中を貫いた、そこに体重も込めてだった。
 一気に貫き右から左に斬り抜いた、怪物はそれが致命傷となり消え去った。そして後に残った金塊を観てだった。
 スフィンクスは着地し立つ上城にこう言った。
「もう一つ強さの要素があるわ」
「それは何ですか?」
「頭よ」
 それだというのだ。
「知恵ね」
「それもですね」
「要素としてあるのよ」
 その強さにだというのだ。
「剣士の強さはまさに全体だから」
「知恵も使ってですか」
「闘うことよ」
「今みたいにですか」
「咄嗟に頭が回れば」
 それでだというのだ。
「強いわ」
「機転ですね」
「今の戦いではどの剣士もそれが出来ているわね」
 つまり頭がいいというのだ。
「そして貴方も」
「僕もですか」
「そう、それならね」
 頭がいい、しかしそれだけでは駄目だというのだ。
「よりね。その切れをよくしていくのよ」
「頭の回転をですか」
「頭も磨けば磨く程強くなるのよ」
「それで、なんですね」
「そう、だからいいわね」
「わかりました、では僕は頭も」
「機転を利かして。そして相手の弱点も」
 それもだというのだ。
「すぐに見抜いてね」
「戦うべきですね」
「そうしていけばいいわ」
 是非にだというのだ。
「ではいいわね」
「わかりました、そちらも磨いていきます」
「そうして強くなるのよ」
 こう上城に話すのだった。

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