TURN130 プリンセスその十一
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「なあ、今俺達やばいよな」
「はい、かなり」
妹の方もそのことは否定しない、出来なかった。
「このオフランスで敗れますと」
「もうロンドンまですぐだからな」
「アシカ作戦の再現です」
あのエイリスが決死で戦った戦いのだというのだ、この時は攻めるドクツ軍の戦力は数は不十分でエイリス軍も多くの植民地軍があった、だが今は。
「こちらに数はなく彼等の数は圧倒的です」
「装備もな」
「敗北する可能性はかなり高いです」
「切り札はまだあるけれどな」
「それでもです」
まさに後がない、だが。
エイリスの誇る軍人達はいる、しかしなのだ。
「貴族の連中はな」
「全く来ていませんね」
「資金も出さないしな」
「これまで通り戦争に一切協力しようとしません」
「何処まで自分達のことしか考えてねえんだ」
イギリスはあからさまに不満の言葉を漏らした。
「エリザさんは予備戦力で本国に残ってるけれどな」
「セーラ様とロレンス提督が来られています」
国家元首、そして最後の騎士提督がだというのだ。しかし貴族である彼等はというのだ。
「平民の人達も必死だというのに」
「本当に癌だからな」
「全くですね」
「くそっ、この戦争がなければな」
イギリスもセーラと同じことを言う、彼女以上に忌々しげに。
「連中をどうにかしていたのにな」
「戦後そうしなければ」
「ああ、どうしようもなくなるからな」
どうしてもだというのだ。
「只でさえエイリスには植民地がなくなったからな」
「その全ての植民地が」
「エイリス本土だけになったんだ」
イギリスはこのことを忌々しげに言う。
「植民地についても連中は」
「どうもとんでもないことを言っています」
「あれだろ、枢軸の連中に」
「即時無条件降伏と」
それに加えてだった。
「植民地の全てを即座に返還せよと」
「連中が今望む筈ねえだろ」
「しかも多額の賠償金まで」
「出来る筈ねえだろ」
イギリスは忌々しげに言った、今回も。
「馬鹿か、あの連中は」
「何も見えていないのでしょう」
イギリス妹も苛立たしげに述べた。
「自分達のこと以外は」
「だろうな、じゃあな」
「はい、では」
「連中はもう無視してな」
そしてだというのだ。
「俺達だけでやるか」
「それしかないですから」
「それで戦争の後でな」
全てはその後だった、エイリスもまた。
「連中をどうにかしてやろうな」
「この戦争に一切協力しなかったことへの責任追求ですね」
「そうしてやるか」
「必ず」
「で、オフランスだけれどフランスの奴はいねえんだよこれが」
イギリスは話題を換えてきた、今度の話題はフランスについてだった。
「嫌な奴がいないのは残念だな」
「残念ですか」
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