反董卓の章
第22話 「…………よっ、兄弟」
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!?」
袁紹さんがなにか叫んでいる。
言っていることがよくわからないけど……
「まったく……麗羽の声は耳に響くわね。それで、呂布はどうしたのかしら」
袁紹さんの横には曹操さんの姿も見える。
その臣下の中には霞さんの姿も……
恐らく、投降したか恭順したのだろう。
「おい、煙が晴れてきたぞ!」
兵の誰かが叫ぶ。
その声に、皆の視線が粉塵の中心へと注がれた。
「ご主人様……」
私は目を凝らし、その煙の中を凝視する。
すると――
「――――ぁ」
そこに見えた人影。
その姿は――男性特有の広い肩。
馬正さんと、その肩に支えられた黒い服が見えた。
「ごしゅ――」
「盾二様っ!」
私の声を被せるように叫ぶ朱里ちゃん。
その叫びが煙を払うように響き渡り。
馬正さんの隣で、顔面を血だらけにしたご主人様の姿が見えた。
その顔が、微笑んでいる。
「あぁ……」
「盾二ぃ!」
孫策さんが叫ぶ。
その声とともに、周囲の連合軍が――
「「「「 オオオオオオオオオオオオオオオッ! 」」」」
雄叫びのような歓声を上げた。
「よかった……」
私は呟き、口を手で覆う。
その私を抱きしめるように、愛紗ちゃんが寄り添ってきた。
「ご主人様……よかった……よかったです……」
「愛紗ちゃん……」
嬉し涙を流す愛紗ちゃんの背中を抱いて、私は溢れる涙をそのままに、盾二様へと微笑んだ。
だが、その時――
「放てぇ!」
「「「 !? 」」」
誰かの声が、後方で響き渡る。
それが誰かと振り向く間もなく、空に大量の矢が舞った。
それは全てご主人様へと――降り注いだ。
―― 盾二 side ――
……え?
気が付くと、俺はまた地面に倒れていた。
さっきまで、桃香の顔が見えていたはずだ。
その傍には雪蓮も、そして朱里もいた。
愛紗もいたし、周喩さんたちも見えた。
でも、今は見えない。
何かが俺の目の前を覆っている。
それが人の胸であることに、今気づいた。
「……え?」
俺は、目だけで周囲を見る。
俺の顔の傍には誰かの腕がある。
それが俺の頭を抱えるように覆っていて、首を動かすのも難儀だ。
そもそも力が入らないのだ。
首ぐらいしか動かない。
それでも、俺は状況知るために目を動かす。
(見るな――)
誰の声だろうか。
俺の脳裏に、声が聞こえたような気がした。
だが、状況がわからない。
わからないなら……わかるようにするしかないだろ?
(知
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