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真・恋姫無双 矛盾の真実 最強の矛と無敵の盾
反董卓の章
第22話 「…………よっ、兄弟」
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鈍い金属音が響き渡る。
 私の傍にいる朱里ちゃんも、孫策さんもその赤い軌跡を見逃すまいと固唾を呑んで見守っていた時。

 不意に、周囲で吹き上げていた火柱が掻き消えるように収まった。

「「「 !? 」」」

 火柱による熱が無くなり、残るは黒煙と粉塵のみ。
 それが周囲を覆う中。

「盾二様!」

 朱里ちゃんが叫ぶ。
 私や孫策さんは絶句して声が出せない。

 ご主人様が戦っていた、赤い軌跡が――消えた。

「ご主人様っ!」
「盾二っ!」

 私と孫策さんが共に駆け出そうとする。
 けど――

「ダメです! 桃香様!」

 私の身体を誰かが押しとどめた。

「――っ! 愛紗ちゃん!?」

 それは、いつの間にか私の傍に来ていた愛紗ちゃんだった。
 私の腕を取り、首を振る愛紗ちゃん。

「こら! 離しなさいよ、幼平!」
「だ、ダメです、孫策様! 落ち着いてくださぃぃ!」

 見れば、隣でも孫策さんが誰かに羽交い締めにされていた。
 たぶん、臣下の一人なのだろう。

「愛紗ちゃん、離して! ご主人様が――」
「信じましょう、桃香様! ご主人様は、きっと大丈夫です!」
「でも――」

 私は噴煙で見えないその先を、目を凝らすように見る。
 だが、黒煙と砂塵が舞い、その中の様子は窺い知れない。
 今すぐ中に入って、ご主人様の様子を確認したい。

「やっぱり、離し――」
「貴女はご主人様を信じられないのですかっ!」
「――っ!」

 愛紗ちゃんの言葉に、足が止まる。
 思わず愛紗ちゃんを睨もうとして振り向いた。
 でも――

「……………………」

 その愛紗ちゃんは……目に一杯の涙を溜めたまま、私を睨んでいる。
 その姿に、私は力を抜いた。

「……大丈夫……大丈夫です……必ず……」

 私と孫策さんの少し後ろで。
 朱里ちゃんは、まるで何かに祈るように両手を組み合わせて目を閉じている。

(――信じなきゃ)

 私も噴煙が晴れていくのをその場で待つ。
 気がつけば、そこにいた各陣営も固唾を呑んでその場を見入っている。
 それは敵も同様だった。

 突然収まった天変地異に、誰もが様子を窺っている。

 その時――

「一体どうなりましたの! 誰か説明なさいまし!」

 後方から、袁紹さんが大声で叫んで前に出てきた。
 その横には彼女の部下らしき二人も――

「ですから麗羽様! 今はまだ危険ですってば!」
「あの兄ちゃん、どーなったんだ? 煙で見えねー」
「きいいいっ! 誰か、誰か説明なさいまし! あの天変地異は天帝様の董卓軍への神罰でしてよ! それが収まるということは、董卓軍を倒したということではなくて
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