暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少女リリカルなのはANSUR〜CrossfirE〜
サヨナラじゃなくてアリガトウとキミは 〜Testament〜
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ず、つい一撃を与えてしまったテルミナスが動きを止めたその一瞬。その一瞬の隙を狙ってのTesシャルロッテの攻撃。8つの絶対切断の刃がテルミナスを閉じ込める牢のように展開された。その8つの刃がテルミナスへと吸い込まれ直撃した。

「邪魔しないで」

しかし、浅く刃が入ったところで刃は停止していた。斬り裂くことなく途中で止められた刃。

「くっ・・・!」

Tesシャルロッテが瞬時にテルミナスから距離を取る。“キルシュブリューテ”の能力・絶対切断。その特性は、自らの神秘を下回るものなら全て斬るというもの。その刃が止められた。それはつまりテルミナスは“キルシュブリューテ”を上回るということだ。当然の結果だ。相手はあまりにも格の高い存在なのだから。たとえ“第三聖典”と合成させようともTesシャルロッテの干渉斬撃は、テルミナスに決定打を負わせられないほど弱かった。

(判っているとはいえ辛いな。やっぱりルシルの作戦じゃないと無理か)

やはり与えられた役割通りに動くしかないと思い知ったが少しばかりの悔しさを胸に秘め、“聖典キルシュブリューテ”を構え直す。

「ねぇ、ルシリオン。あなたの居場所は玉座じゃないの。愚かな人間を護る立場はあなたには相応しくない。というより、罪人(ニンゲン)を護るということ自体がそもそもの間違い」

テルミナスは、姿を隠したTesルシリオンに語りかけ始めた。Tesシャルロッテと彼は、時間稼ぎにはちょうどいいと判断し耳を傾ける。

「どういうこと・・・?」

「本当に解らないの? あなたも見てきたでしょ。人間という存在がどれだけ罪に塗れた愚かなものか」

今まで余裕だけを浮かべていたテルミナスの表情が一変する。そこにあるのは憤怒、憎悪、憐憫などといった負の感情だった。

「いつまで経っても争いをやめない、やめようともしない。どれだけ根絶やしにして、更生させようと努力しても、やはり争いを始める愚者。抑えようと思えば抑えられる欲で同族たる人間を襲い、奪い、殺める。その理由が、ただ誰でもいいから殺したかった? 世の中つまらない? ムカついたから? 相手にされなかったから? 金銭が欲しかったから? クスクスクス」

テルミナスのエメラルドグリーンの両目に妖しい光が宿る。その瞳に見詰められたTesシャルロッテが僅かに後ずさる。

「何て罪深いことなの。その果てには赤の他人を殺すどころか、血の繋がった実の親を、子をも殺めるなんてことも増えてきた」

テルミナスの体が僅かに震えだす。それは抑えきれない憤怒からのものだ。

「〜〜〜〜っ! 愚かなッ!」

「なっ・・・!?」

テルミナスの激情から放たれたのは実数干渉能力。Tesシャルロッテは咄嗟に位相空間へと退避した。実数干渉である以上、ダ
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