暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少女リリカルなのはANSUR〜CrossfirE〜
彼女の想い、彼の思い〜I Love You〜
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シ――」

「すまない」

「・・・どうして・・・?」

さっきとは違う意味で真っ白になる。ルシルは本当に残らないの? 私じゃルシルを幸せに出来ないの?

「ほ、他に・・・好きな人とか・・・いるの?」

「いない」

「やっぱりここが好きじゃない?」

「とても大切な場所だ」

「私のことが・・・嫌い?」

「・・・違う、そうじゃない。君のことが嫌いなわけがないだろう」

それを聞けて嬉しく思う。だけど今はそんなこと言ってられない。どうしてルシルはそこまで自分を追い詰めるのか。自分の幸せを否定しようというのか。それほどまでにルシルを追い詰めるのは・・・。

「だったら!! 何でルシルは自分をそんなに・・・!」

「私の・・・私の想い人はいつも殺されて逝く。護ると誓っても、愛すると誓っても、必ず私の手の中から零れ落ちる。私は疫病神だ。自分が幸せになる云々以前に、一番大切な女性(あいて)を幸せに出来ない。そんな私に、人を愛することはもう出来ない。必ず不幸にしてしまうからだ。だからフェイト。君が嫌いなわけじゃない。この場所が嫌いなわけじゃない。怖いんだ。私が残ることで、この愛おしい場所がまた何かに奪われるんじゃないかと・・・」

一瞬だけ泣き顔のような表情を見せたルシルが、私の視線から逃れるように顔を伏せた。ルシルの心は酷く傷ついていた。6千年、そんな長い時間の間にルシルはどれだけ傷付いたんだろう。私なんかが理解できないほどの、それは凄惨な出来事ばかりを見てきたに違いない。

「それ以前に私は人殺しだ。いかなる理由とて人を一度でも殺めればもう幸福の席は無い。私の想い人が私を置いて逝くのは、その罰なのかもしれないな。私は数多くの命の十字架を背負っている。殺めてきた人たちの十字架だ。その数はもう知れない。あまりにも多くの命を奪った。人を抱きしめるにはこの手は穢れ過ぎている」

人殺し。俯いたままルシルが苦々しく言った。ルシルが背負い、ルシルを縛り付ける罪科の十字架と鎖は多すぎる、重すぎる。それがルシルの幸福という選択肢を奪う元凶。

(でも、それでも、だからこそ私はルシルを幸せにしてあげたいんだ)

その決意はもう揺るがない。

「私も一緒に背負うよ、ルシルが背負ってる十字架を。私一人じゃ頼りないかもしれないし、ううん、私じゃ全然力になれない。それでも一緒に背負うよ。これからはずっと、私がルシルを独りになんてしないから」

「フェイト・・・。いや、ダメだ。知っているか、フェイト? 優しい人というのはな、優しいからこそ気付き、そして余計なものまで背負うことになるんだ。優しいからというだけで、ただそれだけで辛い目に遭う事が多いんだよ。フェイト、今の君がそれだ。私という余計な“物”を背負おうとして
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