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路地裏の魔法少年
第1部その2:勝つためにはやっぱ特訓じゃね?
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 俺は自分を正義の味方だとか何とかそんな偉そうなものに成ろうなんて思わない。
 正義だ何だと抜かせるのは、テレビの向こうのヒーローだけだ。

 ただ、ちゃんとした『人の心』を持った人間にはなりたいと思う。
 その為にはやっぱり、自分のやっちまった事はしっかりと自分で落とし前を付ける事、付けようと思う事が大事だと思う。

 俺は女子じゃ無いから分からないが、やっぱり女子は男子に胸を掴まれるのは絶対に嫌な事なのだろう。
 まぁ常識的に考えてそうだよな。

 だから、その分はしっかり謝らないといけない。
 ブッ飛ばされたが、多分向こうはそんなんじゃ足りないだろう。
 俺の親父曰く「女は大切にしろ」だし……。

 そして俺が謝って向こうが許してくれたら、その後はあの子の番だ。
 高町さんを魔弾で落として気絶させた分はきちんと謝らないといけないだろう。
 理由なんか知らねぇ、でも誰かを傷付けたらその分はしっかり謝るのは誰でも一緒だ。
 それに高町さんの事だから、謝ったら一発で許してくれると思うしな……。
 一発って魔法の一発の事じゃ無ぇぞ、一応言っておくが。

 ま、兎も角それが俺の思っている事だ。


 「なるほどな、お前らしいや」
 思っていた事を答えた俺に、啓太はそう言うとハハハと笑った。

 「笑うなよ…ったく、だから言いたく無かったんだっつの」
 「悪ぃ悪ぃ、バカにしてる心算じゃ無いぞ」
 「だったら何だよ?」
 俺はブスーっとして啓太の方を睨むと、コイツは少し真面目な顔をして俺にこう言った。


 「お前が親友で良かったって思っただけだ……最高のな」


 「なんじゃそら?」
 良く分からない事を抜かしてきやがった啓太に俺は首を傾げた。
 俺はお前みたいに学が有る訳じゃ無ぇんだから少しわかる様に説明してもらいたい。

 「…そろそろ上がろうぜ、(ゆだ)っちまいそうだ」
 俺の質問を無視しやがった啓太はそう言って湯船を出ようと立ち上がった。

 「おい、説明しろよ」
 「あーはいはい、後でな、それよか飯は食ったのか槍一?」
 「いや、まだだけど」
 「だったら家で食っていくか?婆ちゃんがたまには槍一を呼んだらどうだって言ってんだ…どうする?」
 「マジで?行く行く!」

 これから帰って、飯を準備しなくちゃならなかった所にこの誘いはまさに渡りに船である。
 俺は二つ返事でそれを承諾すると啓太の後を追って湯船を上がった。

 いやあ、助かった助かった。
 やはり持つべきものは友達だ、俺もお前が親友で良かったぜ。

 それから俺は着替えると啓太の家に向かい、晩飯を御馳走になった。
 久しぶりに皆で食う飯は美味い、それに啓太の婆ちゃんの作る飯はチョイス
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