第1部その2:勝つためにはやっぱ特訓じゃね?
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回目だから……そうだな、末尾が4って事で……これだ」
そう言って啓太は俺の足を掴むと自らの足を絡め思い切り良く『四の字固め』をやってきやがった。
「あが!いで!いででででででで!!」
思わず叫ぶ俺。
つーかこの馬鹿遠慮って物を知らんのか、初っ端からフルスロットルで締めに掛かっていやがる。
これマジで俺の脚壊す気じゃねこいつ?
「どーだー、めっちゃ痛いだろぉ」
「痛ぇーよマジで馬鹿!少しは加減しろや!」
「あぁん?主導権を握っているのはこっちなんだぞ、俺にそんな事を言って良いのかなぁ?日野二等兵?」
「ニトーヘーって何だよ!?!いでで!」
畜生、好き勝手やりやがってからに……。
と俺は思っていた訳なのだが、実はこの時啓太は重大なミスを仕出かしている事に俺は気が付いた。
それは何かって?そりゃコイツの技のチョイスさぁ……!
「くぬっ!」
俺は思い切り体をよじらせて体を『仰向け』から『俯せ』に変えた。
プロレス技に詳しい読者の方ならもうお分かりであろう……。
「な!てめぇ!!馬鹿やめ……いででででででででで!!!」
啓太がそれに気づいた時には時既に遅し。
コイツは自分のかけた四の字固めのリバースを受ける形となり、苦悶の表情を浮かべて叫び出した。
四の字固めは成功すればかなり痛い技である、しかしながらこの技、反転するとキッチリ固めたその痛みが術者に帰って来るという諸刃の剣ともなる、使い所が非常に難しい技なのだ。
「どぉーだー!啓太ぁ!自分の技でやられる感想は!?痛いだろぉ!?」
「ぐぬお…貴様…図りやがったな槍一」
「この場面で四の字を選んだお前のミスだ!ぶぁかものむぇえ」
「あが!畜生俺としたことが…………と言うとでも思っているのか?」
すると、某アブラナ科の緑黄色野菜のような名前の戦士みないな事を言った啓太は苦悶の表情はそのままに、口元だけを頑張ってニヤリと釣り上げた。
多分七割方やせ我慢だなと思っているとその瞬間、ヤツは俺がやったのと同じ要領でゴロンと体を思いっきりねじらせて、仰向けの体勢に戻してきやがった。
「ぎゃああああああ!!!」
「ふははははは!どうだ四の字固めリバースリバースを喰らった感想は?」
「てめぇ!どぉりゃぁ!!」
俺は再び身体を捻る。
「あ、嘘マジ?いでででででででで!!」
「四の字固めリバースリバースリバースだッ!」
「なんとぉッ!!」
再び捻転。
「おばーっ!!」
「四の字固めリバースリバースリバースリバース!」
「うがっふ!!」
捻転…………。
捻転……。
捻転…。
そんな事を一体どれくらい続けたのだろう……。
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