第1部その2:勝つためにはやっぱ特訓じゃね?
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昨日俺はあの魔導師の女の子と戦った訳だが、あの時俺は頭に血が上っていたのもあるがただ闇雲にウィルを振り回す事しか考えて居なかった。
今考えてみて分かったのだが、あんな重たい物を考えなしに振り回せば隙が大きいのは当たり前の事である。
ウィルを振り回す為に力を込める時、勢いが乗ったウィルを減速させる時、減速させたウィルを引き戻す時。
どれをとっても小さい俺の身体を目いっぱい使わざるを得ないし、非常に動きが鈍くなるのは当然だ。
啓太曰く「それ全部余計な動作だから」つー事なんだが、やっぱりなと俺は思う。
ウィルは自分の事を『あらゆる物を穿つ究極の戦槍』と言った、ナリは削岩機でもコイツは『槍』である。
叩き付けるでも切り伏せるでも無い『突く』事のみに特化された武器であるのならそれ相応の扱い方を覚えた方が遥かに闘い易いという事なのだ。
だがしかし、俺は今まで喧嘩や格闘技ごっこをやった事はあっても実際に武器を扱った事も無ければ武道なんてそれこそ未知のエリアである。
そんな俺が、しかも、いつ何時再び魔導師との戦闘になるかも分からないこの状況でウィルの扱いをマスターしなくてはならないのだから、何気に俺ピンチじゃね?
まぁ、そんな事言った所で今のこの状況が変わる訳でも無い。
それより何より、高町さんだって向こうで一生懸命魔法の練習をしているんだから、男子の俺が弱音吐くなんて醜態を晒すのは死んでも御免である。
今出来る事を我武者羅にやるしか無いんだよな……。
俺はそう思い直して再び木製の銃なのか槍なのか分からない様な物を構えると、シャカシャカと足を動かして境内の往復を始めた。
ちなみにこの木の棒、正式名称を『短木銃』と言うそうだ。
何でも『銃剣格闘』の練習用のアイテムらしく啓太ん家の物置の中にあったらしいのだが、おまえん家て一体何なん?
俺はそんな事を考え、頭にジャ○プを乗せながらシャッシャカ足を動かしていたんだが……。
「あ」
余計な事を考えてしまったのが悪いのか、頭の上でジャン○が滑り、バサリと音を立てて境内の石畳の上に落っこちた。
「デデーン!!槍一、アウト!」
とても嬉しそうな顔をしながら自称鬼教官の啓太がそう言って俺に近付いて来た。
グラサンをかけてニヤニヤ笑みを浮かべるコイツの顔を見るのはこれで丁度24回目だ。
マジで勘弁してもらいたい。
「よーし槍一、その場に仰向けになれや」
「あーはいはい、分かったよ喰らえばいいんだろ喰らえば」
全てを諦めた俺は言われるがまま神社の石畳の上にゴロンと転がった。
まな板の上の魚の気持ちってのが今日少し分かった気がする。
「よーし、よしよし、丁度今24
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