第1部その2:勝つためにはやっぱ特訓じゃね?
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る筈の三角締めときて、フォール技のエビ固め、小包固め、カサドーラ、キドクラッチ、更に屈辱的なはずかし固めと、様々な技の実験台にされた。
その度に、少し離れた所で練習している高町さんは驚いたり、心配したり、顔を赤くしたりしていた訳だが、最終的に慣れたのか18回目以降からは反応すら示さない。
女というのは強かな生き物だと親父が言っていたが、マジでそうなのな……。
「オラオラ、ぼさっとしてねーでやれ」
俺が高町さんの強かさに関心していると、俺の隣に居るバカタレが腕を組みながら偉そうにそうのたまいやがる。
しかもご丁寧に「鬼教官」と極太マッキーで書かれたタスキを下げ、眼鏡からサングラスに変えている徹底振りが更に俺をイラ立ちの高みへと推し進めるのだ。
「うっせーな、少し休ませろや!」
「貴様何だその態度は、この俺に楯突くなんざ、そうだな…3ヶ月早ぇぞBO☆KE!」
「短か!!そこは10年とか100年とか言えよ」
「減らず口を叩けるんならまだまだ元気だな、ようし後10本追加だ」
「……てめぇ、マジで後でコロス」
俺はこの訳の分からん特訓が終わったらコイツに一体何の技を掛けてやろうか考えながら再びすり足で境内の往復を再開した。
とまあそんな感じで放課後から今まで約2時間、俺はこの訳の分からん特訓によって精神と靴底をすり減らしていた訳なのだが、これにはキチンとした理由がある。
つーか理由も無くこんな事をやらされていたら俺はその瞬間啓太のみをコロす機械になっている所だ、任務遂行の為にアゴを強化させて……ふはははは長かろうコノヤロウ。
で、その理由なんだがこれは単に俺のデバイスの扱い方が下手くそだったからに他ならない。
昨日の俺の戦いをどうやったかは知らないがアイアン・ウィル経由で把握した啓太は俺にまず「ウィルの使い方をマスターしろ」と突然言い出し、そのために必要な基礎訓練とやらを俺に実施するよう強要したのがそもそもの発端だ。
色々聞きたい所も有るが、とりあえずコイツは俺達の中で一番頭がいい、真に遺憾ではあるがそれは認めよう。
なのでコイツなりに何か考えがあっての事だと思うので、俺は本当に不本意ではあるがコイツの指導の下、ウィルの取扱いに必要な基礎訓練を行っている訳である。
でも、何故に貴婦人修行と剣道のすり足歩行を組み合わせた様な奇抜なトレーニングを思いついたのかは未だ謎である。
一度コイツの思考回路を専門家に見てもらった方が良いかもしれない、MITとかNASAとかに。
だが、実際このヘンテコトレーニングをやってみて思った事があるのも非常にムカつくが事実である訳で、どうやら俺は俺が思っていた以上に俺は何も考えて居ないっつーのが分かった
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