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路地裏の魔法少年
第1部その2:勝つためにはやっぱ特訓じゃね?
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 海鳴市の山ん中にポツーンと佇む小さい神社。

 この山の神様を祀っているとか何とからしく、かなーり古くから建っているそうだ。
 一応最低限の手入れはされているらしく、彼方此方腐れているとかそういった罰当たりな事にはなっていないようなのだが、少なくともこの神社の存在を知る人間ってのはそれこそずーっとこの町に住んでいるじっちゃんばっちゃんくらいなもんで、大抵の人間は「え?こんな所に神社なんてあるんだ」程度の認知度に留まっている。

 かくいう俺も『ジュエルシード』探しを始めてから知ったクチである。

 俺と啓太、それに高町さんが『魔導師』とやらになり「なったからには腕を磨こう」と皆して決めた訳ではあるが、何せ取り扱うのが魔法っつう「俺たちの世界にゃ存在しない技術」である、そんなモンを人様の前でバンバン使えば待っているのはどっかの研究施設に拉致監禁される将来であり強化ガラス越しに奇異の目を向けられる動物の如き尊厳無視の屈辱的な暮らしである……。

 まぁ、啓太曰くだから何処まで本当かどうかは不明だが、何かしらの大事になるのはそりゃもう目に見えているので、俺たちはなるべく人目の付かない適当な場所を選んでいる訳なのであるのだが、そこで丁度よかったのがこの神社だったという事だ。
 ちなみに、他の場所も幾つか掌握しているんだが今日は偶々ここに来ていただけである。

 何でここに来たのかは覚えていない……。
 気付いた時にはここに居て何故か「炎のファ○ター」が大音量で流れていた。
 訳分からんなと思った。


 そんな訳で、とりあえず今日俺たちはこの神社に来ている。


 いつもの調子で行けば、集まる→駄弁る→「ボチボチ練習始めますか」みたいな、啓太曰く「高校の文化部系の気だるいノリ」のように始まる放課後の魔法訓練なのだが、今日に関しては若干…と言うか俺だけかなり違う事になっていた。

 初めに言っておく。
 「どうしてこうなった」

 俺は今、良く分からん事をやらされている。

 工事現場の作業員の様な『バリアジャケット』の展開も無ければ、アイアン・ウィルを使っての戦闘訓練も無い。
 木で出来た長い「銃なのか槍なのか分からん物体」を持たされ、構えの姿勢を取っている俺の頭上には少年ジャ○プが数冊。
 その奇妙な姿のまま、神社の境内の石畳の上をすり足でひたすら行ったり来たりという訳の分からん事をやらされているのである。

 更にムカ付くのが「頭に乗っけているジ○ンプを落としたら、その都度ペナルティを与える」と啓太が抜かしやがった事で、俺は現在計23回、奴がペナルティと証する様々な固技(かためわざ)を甘んじて受けなければならなかった事であろう。

 柔道の袈裟固めから始まり、上四方固め、中学生以下禁止技であ
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