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神葬世界×ゴスペル・デイ
第一物語・後半-日来独立編-
第六十六章 強くあるために《2》
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が、正式な宿り主ともなると格が違うな」
 だが、そうであっても。
「この力に、私は頼る他無い」
 もう一段階、央信は天魔の力を強めた。
 身体に走る模様が更に増えるのもお構い無しに、麒麟に天魔の力を注いだ。
 黒き麒麟は更なる天魔の侵食によって、もはや完全なる暴走状態へと入った。
 乱れ狂うなかで、反撃をするために現れた天魔の腕。前のように二本ではなく、倍の四本だ。
 現れるやすぐ、竜神に殴打を食らわす。
 喉に噛み付いた竜神を払うべく殴打を繰り返すが、麒麟の喉に噛み付く竜神はびくともしない。かえって喉に刺さる牙が深く、力を入れられ刺さる。
「何故だ、何故天魔の力を注いでも変わらない」
 噛み付かれ、押されている麒麟を見て央信は言う。
 天魔は堕ちた神々の集合体。
 ゆえに神一柱以上の力を持っている。なのに現状は天魔の力を注いだ流魔攻撃である麒麟が、竜神によって負かされ掛けている。
 気に食わない。
「やらなければ負けは決定的。身体が何処まで保つか分からないが、織田瓜の名に恥じぬ最後を遂げるために!」
 央信に身体に模様が走る。
 麒麟と同じだ。黒く、模様が央信を包んでいくようだ。
 異様。まさに異様だ。
 様子も、雰囲気も、思考さえも。
 分かる。少なからず天魔の力の影響だということを。
 天桜覇王会指揮官補佐・清継はそれを敏感に感じ取り、誰より先に、
「央信様! およしください!」
 止めに入った。
 戦闘艦の甲板上に立つ央信の元に、焦りの色を見せる清継が来た。後から繁真が追い付き、央信に駆け寄ろうとした清継の身体を止める。
 片腕を掴まれた清継は、自身を止めた繁真を見る。
「待て」
「何するんですか!」
「それはこっちの台詞だ」
「先輩も感じている筈です。これ以上天魔に頼れば央信様は!」
「分かっている」
「ならなんで」
 反抗意識から掴まれた腕を繁真の手から離そうとするが、がっちりと掴まれた清継の腕は離れなかった。
 ぐっと握られている腕をそのままに、冷静に繁真は答えを返した。
「遅かれ早かれ天魔を宿した瞬間、既に央信には未来は無い。後は残りの命を少しでも長く保つことが生き続ける術だ。されど央信は残りの命を削ってでもやらなければと、そう判断したのだ」
 自分達の長が自ら判断した。
 だからそれを邪魔するべきではないと、繁真は判断したのだ。例え命を賭けてでも。
 長が決めたことならば。
 四の五の言ってすぐ解ってくれる程、今の央信に時間が無いことぐらい理解出来る。
「ならば拙者達は今一度見守る他無いのだ」
 理解し、それを受け入れてしまったからこそ悔しそうに顔を落とす清継。
 言われなくとも解っていた。解ってはいたが、嫌だった。
 清継にとって央信は、初めて憧れたを抱いた
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