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魔法少女リリカルなのはANSUR〜CrossfirE〜
遥かに遠き刻の物語 〜ANSUR〜 Y
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に驚いていることだろう。俺はな、この日を待っていた。お前たちの技術の粋を結集したヴァルキリーを操り、俺の手駒にする今日この日を。大戦中に散々情報を集めさせたおかげで、この計画がようやく陽の目を浴びたよ。ヴァルキリーに特製のウイルスを流し込み我が下僕とする“堕天使化計画(プロジェクト・エグリゴリ)”。これでお前たちは終わりだよ、アンスール。大人しく投降してくれると嬉しいな』

“アンスール”は――特に過去ルシリオンとシェフィリスは頭の中が真っ白になった。“ヴァルキリー”を操るなんて信じられない、不可能だと。しかし現に、ブリュンヒルデ隊、ゲイルスケルグ隊、ヘルフィヨトル隊、ヘルヴォル隊が反旗を翻した。事実だと受け止めるしかない。納得できないが、今は撤退することを第一として行動を開始した。

場面が変わる。堕天使計画より4日後、“アンスール”メンバーの集まる会議場で、過去ルシリオン達は耳を疑う報告をエリスリナから聞いていた。

「本当・・・なのか・・・?」

「はい。ヴァナヘイムは、堕天使――エグリゴリによって完全に滅亡しました」

プレンセレリウスに答え、エリスリナが再度告げる。カトラス率いるヴァナヘイムが、操って駒とした“堕天使エグリゴリ”によって滅ぼされたと。

「どういうこと?」

ステアの疑問に、アプリコットが答える。

「おそらくですが、ヴァルキリーのプログラムに完全介入できるほどのウイルスではなかったのかと。相反するプログラムの所為で暴走状態になったのかと思われます。お父様とお母様の組んだプログラムですし」

「アプリコット。エグリゴリと繋がる貴女から見て、堕天使は直せそう?」

19歳となった大人のシエルがアプリコットへと尋ねる。

「それについては先程、お父様とお母様と話したのですが、リカバリーはもう不可能なのです。時間を掛けて行えばいつかは・・・ですが、これ以上統括三女神(ノルニル)システムとエグリゴリを繋げておくと、私たち姉妹にまでウイルスが侵入、正常なヴァルキリー含む私たちまでウイルスに侵され暴走することになると思います」

苦々しく答えるアプリコット。それはつまり、ブリュンヒルデ隊、ゲイルスケルグ隊、ヘルフィヨトル隊、ヘルヴォル隊を諦めろということだった。正常な天使と女神を救いたいなら、堕ちた天使は殺せということだ。沈黙が流れる。“ヴァルキリー”の生みの親である過去ルシリオンとシェフィリスの決定には従うつもりでいる他のメンバー。過去ルシリオンとシャルロッテが口を開くのをただひたすら待とうとした時・・・

「堕天使エグリゴリの掃討を第一として、ステア、戦術戦略の構築を頼む」

大して時間を掛けずに過去ルシリオンはステアに告げた。アプリコットに話を聞いてからの数分間、全力で考えた末の
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