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魔法少女リリカルなのはANSUR〜CrossfirE〜
遥かに遠き刻の物語 〜ANSUR〜 Y
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様!」とそう答え、また姿を消した。

「アプリコット。念のためにヴァルキリーの戦闘調整を頼む」

「了解いたしました、お父様」

そしてアプリコットもまたクリスタルへと姿を消した。過去ルシリオンは難しい顔をしながら、ユグドラシル上層階へと向かった。

『また・・・戦争が始まるんですか・・・?』

キャロが涙目でルシリオンへと尋ねた。ルシリオンは『ああ』とだけ答えて、再度場面を変えた。そこは戦場だった。名の無い世界――いや、名があった世界と言うべきだ。元夢幻世界ウトガルド。“ラグナロク”によって滅んだ連合主要世界の1つだ。何も無い光景が広がる寂しい世界へと変わり果ててしまっていた。

「何故だ! 魔力の出力上限が低下してしまっているぞ!」

「アムティス相手にこんな無様を・・・!」

そこで戦いがあった。“アンスール”とヴァナヘイム軍の戦闘だ。8年前まで続いていた大戦では最強だった“アンスール”。しかしその“アンスール”が敗れた。相手は連合主力の1つだった“A.M.T.I.S.”の最新鋭機。

「近接と遠距離のタイプを兼ね備えた新型だ!」

「注意、注意!」

近接のタイプ・セイバーと遠距離のタイプ・アーティラリーの複合、タイプ・ハイブリット機。ロールアウトする前に先の大戦が終わってしまい、工廠に封印されていた機体。ランクにしてXXランク。過去ルシリオンとステアのEXランク2人がいれば余裕で勝てる戦いだったはずだ。だが敗れた。圧倒的な差とは言わずとも、それでも“アンスール”は敗れた。

『敗北の要因。ラグナロクの影響による界律の変調。魔術師ひとりにおける魔力使用総量が著しく低下させられた。最大X+ランク。それ以上は界律が認めない、許さない。人間ではないA.M.T.I.S.はその例外。だから後れを取ることとなった』

ルシリオンは続ける。彼らの使い魔であるフェンリルとガルムが行動不能になるまで弱体化させられたこと。
その他にも、魔術師の証たる魔力炉(システム)を持たない子供が生まれることが多くなってきたこと。魔力を持たない人間が生まれるのは初めてのこと。そして魔術や魔術師が次元世界から途絶え始めたこと。リンカーコアという器官を新たに持って生まれてくる人間が現れるまで、魔術は滅んでいたこと。
全ては“ラグナロク”による界律への悪影響の所為だということを。場面が変わる。“ヴァルキリー”の母であり総司令官シェフィリスと父である過去ルシリオンが、その数を1000体へと増やした“ヴァルキリー”全機を前にしている光景だ。

「みんなも知っての通り私たちアンスールはヴァナヘイム軍に敗れた。界律による魔術師への能力制限によって。だからあなた達に頼ることしか出来なくなったしまったの」

“ヴァルキリー”全機は黙って
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