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魔法少女リリカルなのはANSUR〜CrossfirE〜
遥かに遠き刻の物語 〜ANSUR〜 Y
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ル”を完全解放し、“ラグナロク”へと投擲した。最高・最強の神秘を有する“グングニル”の直撃を受け、“ラグナロク”は完全に封印された。

『このラグナロクの影響によって滅んだ世界は大小合わせて840強。そして表層世界――つまりは私たち人間の在る単一次元が分かたれてしまった。これが再誕神話に記された単一次元だった表層世界の終わり、複数の次元世界への再生。再誕だ』

1つの次元が“ラグナロク”によって寸断され、空間を隔てた次元世界が生まれた。これが、古のルシリオン達の世界の終わりで、今のなのは達の存在する次元世界の始まりである。なのは達は何も言えなかった。まさか次元世界の始まりを見ることになるとは思わなかったからだ。
それ以前に、次元世界の始まりなんてことすら考えたこともなかったはずだ。生まれた時から次元世界を知る世界にいた、なのはとはやてを除くフェイト達は特に驚愕していた。全てを覆されたようなそんな感覚に襲われ、学者であるユーノは放心状態だ。

『ラグナロクが与えた影響はそれだけじゃなかった』

ルシリオンが重々しく告げ、なのはたちが絶句する中場面が変わる。

ルシリオンは語る。アースガルドも“ラグナロク”によって甚大な被害を被っていた。四王族の治める王領はほとんどが滅んでいた。臣民もまた多くを残さずに、だ。アースガルドは、全て空に浮かぶ空中大陸で構成され、その下は全部海といった世界だ。“ラグナロク”の影響で、大陸の大半が海に落ち、沈んだ。残ったのが、高さが2万mとある“支柱塔ユグドラシル”と呼ばれる、アースガルドの中心にそびえ立つ塔。そしてセインテスト王領、クルセイド王領の3つ。同盟世界もまた似たようなもので、ムスペルヘイムとニダヴェリールに至ってはその形すら残っていないのだと。


そんななのは達が居るのは、ユグドラシルが有する万を超える部屋の1つ。アンスールのリーダー、フノスの寝室だった。そこは豪華絢爛という言葉が一番当てはまる部屋。その寝室に置かれた天蓋付きのベッドに横たわるのは、布団を胸のあたりまで被ったフノスだ。寝息すら聞こえない、本当に生きているのかも怪しいくらいに静かな眠りだ。

『フノスはただでさえ体が弱く短命の少女だった。魔術を使用、ましてや戦うなんて自殺行為。イヴ姉様――イヴィリシリアのフノスに対する過保護もそこから来ている。それなのに、彼女は大戦でウリベルトと戦い、そして・・・』

ラグナロクを討った、とルシリオンは呟いた。

『いくらラグナロクを再封印するためにはフノスの力が必要だったとはいえ、私は体の弱い彼女と契約(メンタルリンク)した』

ルシリオンが眠りについているフノスへと歩み寄る。触れることが出来ないのを理解しつつ、彼は指をフノスの前髪を撫でるように動かした。

『私がフノスを
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