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魔法少女リリカルなのはANSUR〜CrossfirE〜
遥かに遠き刻の物語 〜ANSUR〜 Y
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は“ラグナロク”の中心のみを映し、その表情は決意と覚悟に満ちていた。が、その顔色は青を通り越して白かった。血の気の無い、まるで死人のように。
「フノス・・・!」
「ありがとう、ルシル♪」
フノスが過去ルシリオンの脇を通り過ぎる。一瞬だけ交差する2人の視線。片や笑み。片や泣き。フノスは優しく「大丈夫ですよ」とだけ告げ、そのまま“ラグナロク”の中心へと駆ける。過去ルシリオンは、背を向け走り去ろうとするフノスへと右手を伸ばす。だが彼の右手は、フノスの後ろ髪の毛先に少し触れるだけとなり、彼女の疾駆を止めることは出来なかった。
「くそっ・・・。何がみんな護ってやる、だ。私は・・・義妹ひとり護れないのか・・・!」
“ラグナロク”を抑える結界の楔たる神器群への魔力供給を停止させる過去ルシリオン。結界が消えたことで再び猛威を揮う“ラグナロク”。今度は過去ルシリオンからの魔力供給を受けたフノスが、自身と過去ルシリオン分の魔力を合わせ、“ラグナロク”へと最接近する。迫る衝撃波を一切の無駄のない流れるような動きで回避し・・・
「真技・・・!」
フノスは“グラム”の柄を両手で握り締める。表層世界全体とも言える全ての空間に張り巡らされた“ラグナロク”の力。それを寸断し、世界をこれ以上破壊させないために、フノスは跳躍。
「
神徒の
(
アポストリック
)
――」
そして“グラム”を頭上に掲げるようにして、“ラグナロク”の中心へと落ち行く。虹色の両翼を背に展開し、フノスは衝撃波を掠りつつも回避。
「
剣閃
(
セイバ
)
ァァァーーーーーーーーッ!!」
“グラム”の刀身を包む虹色の輝きが伸び、巨大な光剣となる。それを一気に振り下ろし、“ラグナロク”に巨剣の一閃を叩き込んだ。手応えを確信し、フノスはすぐさま“ラグナロク”より離れようとするが、足がもつれて倒れ込みそうになる。
「フノ――来い、フェンリル!!」
過去ルシリオンが叫び、それに応え姿を現すのは彼の使い魔フェンリル。その姿は本来の巨大な漆黒の魔狼となっていた。フノスの元へと近寄り、いつもの少女の姿となって彼女を抱え上げる。
「フェン・・・リル・・・?」
「はい、フノス様。すぐにシェフィリス様のところへと御連れ致します」
フェンリルはフノスを背負い、再度巨大な魔狼へと姿を変えた。そして1回の跳躍で、ヴィーグリーズより避難しようとしていたアースガルド・クルセイド王家保有の超巨大戦艦“フリングホルニ”の艦上へと移動、人型へと戻り甲板へと降り立った。
「よし。これで後は私の仕事だけだな」
それを見守った過去ルシリオンは、フノスの真技によって再封印され始める“ラグナロク”へと近付く。止めを刺すために展開した蒼翼で周囲の魔力を収集する。そのまま“グングニ
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