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魔法少女リリカルなのはANSUR〜CrossfirE〜
遥かに遠き刻の物語 〜ANSUR〜 U
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神器の群れ。こちらは1000人近い魔術師大隊。数では圧倒的に勝っている。敵との距離もまた味方している。一足飛びで、ラピスの攻撃範囲に入れる距離。問題はタイミング。下手に動くと、浮遊している武器が雨霰と降ってくると考える。

「逃がしてほしいのか? 私としては、ゼフィ姉様を殺した相手が判明すればいいだけのこと。まぁ、ここでお前たちを見逃したところで、今後の戦場で見えれば殺すことになるのは確定だが」

「そう・・・。判った・・・わ!」

ラピスは仕掛けた。判ったと口にした瞬間、ルシリオンの挙動に刹那の隙が生まれたのを見たからだ。自慢の高速機動で距離を詰め、手にする“フォイルニス・ブルート”の穂を突き出す。だが「っ!?」ルシリオンの姿はどこにもなく、ラピスの必殺の一撃は空を貫いた。

「ジャッジメント!」

ラピスの一撃の必殺を回避したルシリオンが号令を下した。

――軍神の戦禍(コード・チュール)――

ラピス達に強襲する何百と浮遊していた神器群。ラピスを除く1000人といた魔術師大隊が全滅するまでの時間、僅か19秒弱。雪に染められて白かった平原が、真っ赤な血に染まってしまった。

「ここまで・・・!? くっ!」

神器の雨を“フォイルニス・ブルート”で確実に叩き落としていくラピス。その間にルシリオンの姿を捉えようと必死に周囲に気を回す。

「見つけた!」

「っく・・・!」

視界の端にルシリオンを捉えたラピスは、距離を縮めるために動き出す。降り注ぐ神器群を回避という行動によって紙一重で抜けていき・・・

「はぁぁぁぁぁぁっ!!」

――感染毒牙(アンシュテッケント・ギフト)――

ラピスは自身だけのオリジナル魔術、“固有魔術”を発動する。伝染性の毒という意味を持つ魔術が、“フォイルニス・ブルート”の穂に付加された。ルシリオンはその危険性を本能で察知し、防御ではなく回避行動を取る。そのまま、残りの神器群を放とうとするが・・・

「自分も攻撃範囲に入っている以上、撃てないでしょう!!」

「この・・・っ!」

ラピスがルシリオンから距離を取らないように追い縋る。歯噛みしつつ彼は“グングニル”で応戦する。何合と斬り結ぶ内、次第に押されていくルシリオン。何せ相手は槍皇ラピス。槍術においては最強ともされる騎士。対するルシリオンは、中遠距離戦を第一として調整されている魔術師。どちらに分があるのか、それは考えるまでも無いことだった。次々とルシリオンの身体に裂傷が増えていく。

「悪いのだけど、帰っていろいろと報告とかしないといけないの。これ以上は付き合ってはいられない。ごめんね。・・・怨んでくれてもいいから・・・!」

独楽のように回転しながら穂と石突きにある刃で、ルシリオンを追い詰めてい
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