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魔法少女リリカルなのはANSUR〜CrossfirE〜
遥かに遠き刻の物語 〜ANSUR〜 U
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ス達はそれを黙って聞いていた。

「誰が・・・した・・・?」

「・・・」

「誰が殺した・・・?」

誰が殺した? そう確かに聞いてきた銀髪の魔術師。間違いないとラピス達は思った。

「誰がゼフィ姉様を殺した?」

しかし、ラピス達の考えとは違う名が出てきた。ゼフィ姉様?と思考するラピス。そしてすぐさま答えが出た。ゼフィランサス・セインテスト・アースガルド。セインテスト王家の第一王女。7日前に、“特務十二将”がスヴァルトアールヴヘイムという世界を滅亡させた時、戦死した防衛魔術師のことだ。

「父と母より、姉の死の方が重大というわけ・・・?」

「誰が殺した? 誰がゼフィ姉様を殺した? 答えろ」

「・・・」

聞く耳を持たないと判り、ラピスは“腐血槍フォイルニス・ブルート”を構える。それを合図と受け取った全軍もまた、それぞれの得物を構えていく。

「セインテストの者よ。我らは貴殿たちに何の恨みも無い。だけど、戦争である以上、敵として出遭った以上は、その首を貰います」

ラピスは“腐血槍フォイルニス・ブルート”へと魔力を流していく。すると、血のように赤い槍全体が綺麗な朱色の光に包まれていく。

「・・・さっきの連中と同じか。ならば・・・我が手に携えしは確かなる幻想」

何かの呪文を呟き、その手にしていた神槍“グングニル”を雪で染められた地面へと突き刺すルシリオン。直後に起こった信じられない現象にラピスは、彼女の率いる兵たちは見た。驚愕した。恐怖した。なのは達もまたその光景を見て、その思考を停止させていた。

「そ・・・そんな・・・バカな・・・!?」

彼女たちの視線の先、ルシリオンの背後。そこには何十何百とも言えるような武器が浮遊していた。そのどれもから莫大な魔力を発せられ、その存在感をこの場に居る全員に叩き付けていた。その浮遊している武器こそ、この世界において特別な力を持つ武装“神器”である。

神器。
神や精霊などが創りだした神造兵装。魔族が創りだした魔造兵装。そして、魔術師が特別の手法によって、魔術を織り込んで創りだした概念兵装。その3つを総合して神器と呼ぶ。

その神器を大量に有しているルシリオン。それは、本来有り得ないことである。どんな種類の神器であろうと、1人の魔術師が持てるのは最高でも4つまでだ。それ以上は神器特有の神秘にあてられ、魔術師が持つ魔力を生み出す器官“魔力炉(システム)”に悪影響を及ぼすからだ。だが、ルシリオンはそのような当たり前の常識を覆していた。

「答えろ。ゼフィ姉様を殺したのは誰だ?」

「っ! 言ったところで、私たちは生かすつもりはないんでしょう?」

ラピスは思考をフル回転させる。敵は単独。手にしているのは槍。しかし背後には途轍もない
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