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魔法少女リリカルなのはANSUR〜CrossfirE〜
遥かに遠き刻の物語 〜ANSUR〜 U
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友の1人である青年の愛称に反応する。

「違う! 離して! ルシリオンに謝るの! 謝らないといけないの! ゼフィランサス様が死んだのは私の所為だから!!」

「お前・・・!」

綺麗なウィスタリア色の髪を振り乱し泣き叫ぶフォルテシア。その姿に戸惑い、言葉を失う彼女の弟であるプレンセレリウス。そこに・・・

「プレンセレリウス様! フォルテシア様! 申し訳ございませんが、お部屋にお戻りください!」

「リディア女官長。すいません」

リディアが2人に駆け寄り、声をかけた。涙し項垂れるフォルテシアの肩を抱き、プレンセレリウスはリディアへと謝る。

「いえ。スヴァルトアールヴヘイム王族である御二方に対し、使用人である私の分を弁えぬ発言、どうかお許しください」

「いや。スヴァルトアールヴヘイムはもう滅んだ。ヨツンヘイム連合軍によって。だからオレ達はもう王族じゃない。ただの人間です」

頭を下げ謝罪の言を口にしたリディアに、プレンセレリウスはそう返す。

闇定世界スヴァルトアールヴヘイム。
ここグラズヘイム城のある世界、アースガルドと同盟を結んでいた世界の1つ。しかしそれを公にはせず、ずっと中立の立場として在った。だがアースガルドと同盟を組んでいた事がヨツンヘイム連合に知られ、その報復として滅亡された世界だ。
プレンセレリウスとフォルテシアは、スヴァルトアールヴヘイムの王子と王女だった。その報復戦から命からがら臣民と共に、ここアースガルドへと逃げてきていたのだ。

「まずは出過ぎた発言をすることお許しください。プレンセレリウス様、確かにスヴァルトアールヴヘイムという世界は無くなってしまいました。ですが、誇り高きその血筋は未だ途絶えておりません。御二方が生き続ける限り、御二方についていく臣民が居る限り、スヴァルトアールヴヘイムは滅びません」

「リディア女官長・・・。ありがとうございます・・・。さぁ、フォルテ。今は部屋に戻ろう。ルシルとの話はまた後で、だ」

「・・うん」

「・・・。誰か。御二方をお部屋へと御案内して――」

プレンセレリウスは、リディアの言葉を咎めるどころか感謝を述べた。そして彼はフォルテシアの肩を抱き、自分たちに用意されている部屋へ戻ろうと促す。それを見て、リディアが手の空いている部下に2人を送らせるため指示を出そうとしたその時・・・

「ただいま帰りました」

出入り口である大扉から姿を現した男とも女ともとれる美しい外見をした少年。ふくらはぎまである銀の長髪。瞳はルビーレッドとラピスラズリの虹彩異色。漆黒の長衣を纏い、気品の溢れる佇まいの少年。

「殿下!!」

リディアに殿下と呼ばれたその少年。名をルシリオン・セインテスト・アースガルド。ここグラズヘイム城の主であ
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