第2章 赤龍帝と不死鳥の騎士団
第23話 ボクのかんがえたさいきょうのまほう
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叫んではいるが、実はすべて同じ魔法だったりする。
じゃあなんで技名を言うのかって?だってかっこいいじゃん、言わせるなよ恥ずかしい。
これは単なる氷結魔法ではない。魔力吸収効果をつけてある。
フェニックス家の復活の力が魔力によるものだというのは調べがついていた。
あとは簡単。魔力をゼロにすれば復活しなくなる。
とはいえ、いきなりゼロにしたら、やはり危険分子として敵視される可能性もある。
だから、こうしてじわじわと追い詰めているのだ。
うん、そろそろ頃合いかな?
ライザー・フェニックスをみやると、魔力が枯渇寸前。
あと一撃で倒せるところまできた。
さあ、ボクの考えた最強の魔法で止めを刺してやろう。
「これで終わりだッ、エターナルフォースブリザード!!」
『Eternal Force Blizzard』
◇
ボクの眼前には、氷漬けになったライザー・フェニックスがいる。
絶えず高温の炎を身にまとうことが可能な、彼は、余裕の表情で技を受けきり――氷の彫像になった。
不死性を持つフェニックス家の彼ならば、いままでと同じようにすぐにでも内側から炎を燃やしでてくるだろう――と誰もが思っていたはずだ。
しかしながら、しばしの時間が経過しても、変化はなし。
いまごろじわじわと魔力を吸収されているだろう。
5分ほど経ってから、光に包まれて消えた。
つまり、保有魔力がゼロになったといことだ。
『ライザー・フェニックス様、リタイアです。よって、リアス・グレモリー様の勝利となります』
ざわめきと、驚きの声が聞こえた。勝利したはずの、リアス・グレモリーでさえ、どこか茫然としている。
「ねえ、はやて。あの最後に放った氷属性の魔法は、一体何なの?」
「ただの氷結魔法さ」
納得のいかない顔をするリアス・グレモリー、企業秘密ってわけね、とつぶやく。
正真正銘、最初から最後まで同じ魔法なのだが。
レーティングゲームをきちんと見ていた上級悪魔ならば、すべて同じ魔法だと看過しているだろう。
「エターナルフォースブリザード……なんて恐ろしい魔法なの」
「人に向けて使うのは、初めてですが、これほどとは。マスターのオリジナル魔法は素晴らしいですね――名前があれですが」
誤解をそのままに、リインフォースが合いの手を入れてくれる。
前世の記憶を頼りに、思いつく限りの技名を叫んでボクは大満足である。
中でも一番好きなのは、最後の魔法である。
『エターナルフォースブリザード――一瞬で相手の周囲の大気ごと氷結させる。相手は死ぬ』
かっこいい技名とシンプルな効果。まさしく、最強の魔法だろう。
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