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魔法少女リリカルなのはANSUR〜CrossfirE〜
遥かに遠き刻の物語 〜ANSUR〜 T
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んと『私も参加させていただきますね』騎士カリムだ。リンディさんは操られていた間の記憶は無く、クロノとユーノから知った口だ。騎士カリムはさすがと言うべきか。操作を受けてから、そう時間を経たずに意識を取り戻したらしい。だから憶えている。

「判りました。まず、クロノ。私が頼んだ事の報告をしてもらっていいか?」

「・・・ああ。君に言われた通りに調べたよ。第97管理外世界・地球。その世界において、ルシルとシャル――いや、フライハイト家そのものの痕跡が何一つとして残っていなかった」

やはりそうだろうな。もう二度と戻ることのない世界だ。本契約も始まったことだし、偽りの設定情報や家族なんてものは用済みとして削除されたんだ。おそらくすずかやアリサ達の記憶からも、私とシャルの事だけ綺麗さっぱり抜けているだろう。今朝、6月にまた逢おうと約束しておいて、もう逢うこともなく、憶えてもらってさえいない。仕方がないとはいえ少し、いや、結構寂しいものだな。

「え? ちょっと待ってクロノ君。痕跡がない? それってつまり・・・え?」

「ちょ、は? それってどういうことなん?」

なのはとはやてが混乱したまま、クロノに問いかけた。クロノが一度私を見て、私は先を話すようにと頷くことで促す。

「地球に、シャルとルシルの戸籍が無かった。フライハイト家という家族も無かったし、フライハイト家の家も無く、そこには別の建物があった。つまり地球の海鳴市には始めからいなかったことになっているんだよ。シャルとルシルは」

再び私たちに視線が集まる。スバル達は話について来れないのか不思議そうな顔をしているが、昔からの付き合いであるフェイト達は顔を青くしている。

『どういうことか教えてくれるかしら?』

「・・・ええ。まずはそうですね・・・。これだけは先に言っておきます」

この場に居る全員をしっかりと一人ひとりを見ていく。そして最後にシャルを見る。シャルは少し泣きそうだったが、すぐに覚悟を決めた表情に変わった。

「私とシャルは・・・人間ではありません」

静かだった食堂が、さらに静かになる錯覚を得た。この静寂を破るために、続きを口にしようとしたとき、「に、人間じゃ・・・ない・・・?」先に静寂を破った声。その声の主に今度は視線が集まる。

「・・・そうだフェイト。私とシャルは人間じゃない。ずっと黙って隠してきたが、私たちはずっと昔に死んでいる人間なんだよ」

さらに嘘を吐いた。シャルは確かにすでに亡くなった存在だが、私はまだ生きている。しかし死んでいると言っても過言ではない以上、死んだと口にする方がいい。

「え? うそ・・・ですよね? 死んでいる人間って・・・。だって・・・だって、今生きているじゃないですか・・・」

「そ、そうですよ
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