『第二十七話』〜最善の方法と最良の行動〜
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ド六つを相手に、同時に封印しようなんて無謀だった。でも、今更泣き言なんて言ってられない。無理だからやめようと注意してくれたアルフを強引に押し切ってまで始めたことなんだ。途中で投げ出すことなんて出来ない。
今は全力でジュエルシードを封印する。それに集中しないと。
竜巻が荒れ狂い、雷が降り注ぐ中、私は何とかして封印しようと動く。なのに体力が、魔力が持たない。疲労は焦りを生み、焦りは私の集中力を乱す。
「フェイト、後ろ!!」
アルフの声が周囲の音に掻き消されそうになりながらも届く。振り向けば背後には既に巨大な竜巻が迫っている。回避は無理だ。眼前には一際巨大な竜巻、左は雷、右は竜巻、背後は雷で囲まれている。迎撃も不可能。こんな大きい竜巻相手に今の疲弊した状態の私じゃどうにも出来ない。アルフもさっきから雷に纏わり付かれて身動き出来ない。
絶望的だった。せめて出来る抵抗といえば、全魔力を注いで防御魔法を展開すること。当然、これだけの規模の竜巻に巻き込まれたら無事では済まないのは分かっている。けど、私にはもうこれ以外打つ手が無い。
「ごめんなさい……」
最期に出たのは謝罪の言葉。
ごめんなさい母さん、期待を裏切ってしまって……
ごめんなさいアルフ、今まで無理をさせてしまって……
そして、最後に彼の顔を思い浮かべる。
「ごめんなさい拓斗、また約束破っちゃったね」
もし目の前にいたら、また怒ってくれるのかな……
眼前に迫った竜巻を見て、私は目を閉じた。
(もう一度……拓斗とお話ししたかったな……)
覚悟を決めたその時。
「我求むは光! 白き矢の輝きをもって万物を浄化せよ! 『ホーリーレイ』!!」
もう一度会いたいと思っていた彼の声が聞こえた。
アルフside
突如上空から大量の光の矢が降り注ぎ、フェイトに向かっていた竜巻や雷を消滅させていった。
「な、なんだい!?」
光の矢が飛んできた方向を見ると。
「はあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!」
咆哮をあげ、鎌を構えながらこちらに向かって来る拓斗の姿が見えた。
「いいかげんアルフを離せぇぇぇぇぇぇ!!!」
アタシを拘束していた雷が、拓斗に斬り裂かれ消滅した。そのままフェイトの下へ向かい、抱きかかえて離脱する。
「た、拓斗!? なんで……」
フェイトが顔を赤くさせながら驚きの表情を浮かべる。無理もないね、拓斗が管理局からアタシ達を逃がしたあの日から全く会えなかったし、そんな相手に突然抱きかかえられれば慌てもする。
「フェイトちゃ
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