『第二十七話』〜最善の方法と最良の行動〜
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している。アルフは雷に捉えられて身動きが取れていない。
「フェイトちゃん! アルフさん!」
そんな二人を見て、なのはが声をあげる。
「私、今すぐ現場に!」
「その必要はないよ、直に彼女は力尽きる、その後で彼女とジュエルシードを保護すればいい」
「そんな……どうして!?」
「残酷かもしれないけど、私たちは常『最善』の方法を取らないといけないの」
リンディの言う事は組織として正しい。最小限の犠牲で最大限の成果を得る。そこに個人の感情や意見を入れてはならない。組織でそんなことをする奴は愚者だ。
「……また無茶をして、今度は拳骨か? キツ〜イお仕置きが必要かもな」
俺はモニター内の二人を見る。疲弊しながらも動き回り、何とかして封印作業を行おうとしているフェイト。雷に拘束され苦しそうで、悔しそうな表情のアルフ。
「ソウル」
[いつでも行けるぜ、マスター]
「頼む」
俺がそう言うとソウルは転移の準備を始める。
「おい拓斗! 何をしているんだ!?」
「いや、人に心配ばかりかけているあの娘に説教とお仕置きでもな……」
「なっ!? キミは僕の話を聞いていなかったのか!? その必要は……」
「確かに必要無いな……オマエ達にとっては」
俺はクロノ達を見つめる。
「確かに、クロノの意見は組織としては『最善』の方法だ。だが、俺とアイツは何度も言葉を交わした仲だ。そんなヤツが傷ついていくのを黙って見ているのは俺個人としては我慢できないんだ」
「………」
「それに、彼女は俺にとって大切な人だ。それを護って何が悪い? 友を、仲間を護って何が悪い? 友や仲間を助けるのに理由が必要か? それを悪というのか? ジュエルシードなんて後回しだ。今はフェイトの安全確保、人の命を護る方が優先すべきことだと思うが?」
「………」
「お前等が組織にとっての『最善』の方法をとるのなら、俺は俺にとっての『最良』の行動をするだけだ」
「あなたは自分が何をしようとしているのかわかってるの?」
「悪いな、協力すると言っておきながらこんな事をして。だが、今回ばかりは譲れないな」
「拓斗君……」
「俺を止めたいのならやってみな……その場合、全力で抵抗させてもらう。命の保証はしないが」
俺の魔力が体から滲みだし、ブリッジ内を荒れ狂う。リンディ達以外の局員達の顔が驚きに染まった。
「そう言えばクロノ、オマエにはほとんど力を使わず殴ってばかりだったな。どうだ? 今から体感してみるか?」
クロノと視線を交わす。数秒後、クロノは溜息と共に首を横に振った。
「ふ
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