深緑の御使い
[2/3]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
を感じざるを得なかった
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
予定通り敵の大多数を誘き寄せて別動隊が砦を制圧しに動きだした
森の中では火計の準備が進み、後は敵を待つのみだ
やれやれ……人海の中心にクラスター爆弾ぶちこめば直ぐに終わるのだが
まぁ無いものねだりしても不毛だな
大きな溜め息をつき腰を回す
乗馬してると腰が痛くなるのはもう俺もオヤジか?
いやいやいや、俺はまだまだイケるぜ!生涯現役だ
さて、そろそろ時間だな
地響きが段々と大きくなりぴりぴりとした空気が辺りを漂う
森の中で更に隊を分けて数百だけで敵の主力を足止めしなければならない
良く言えば殿、悪く言えば捨て鉢
賊が相手とは言えこれだけ数に差があると死を覚悟しなければならない
当然、暁もそれなりに覚悟はしていたがそれ以上に隣にいる孫策が
何故かこの足止め部隊に残った事に気が気でなかった
どうして一国の大将が分の悪い賭けをするのか?
まぁ腰抜かして逃げる馬鹿大将よりもよっぽどましだが
だが……なんでこんなに嬉しそうなんだ?
「嬉しそうだな孫策」
「嬉しい?違うわ、楽しいの♪」
「楽しい?くくっ違ぇねぇ、俺も森に入ってからワクワクしてんだ」
「本当に私達って似てるわね……」
「戦闘狂って事に関しては同感だ孫「雪蓮よ」んぁ?」
「これから命を預ける相手によそよそしいわよ?暁」
「全く、真名ってのは滅多に教えないもんじゃないのか?」
「本人が認めたんだから良いのよ♪まぁ知ったからには逃がさないけど♪」
最期の方に何か恐ろしい事言っていた気がするが取りあえず置いておこう
敵の先頭が木々の間から見えてきた
弓隊が一斉に矢に火を着けて引き絞る
狙うは所々に設置された油の樽
一つの樽に火が着くと連動して森の中の樽に火が回る
ついでに暁が冥琳に火薬も一緒に仕掛けて置くと良いとアドバイスをした為
火薬もたんまり樽に仕込んであった
先頭が死のラインを越えて来た!
「今だ!放てぇ!」
バンバンバンバンバンバン
号令と同時に矢が放たれ樽に吸い込まれていき
火薬に引火し至るところで爆発が起きて賊を巻き込んで吹き飛ばす
瞬く間に森は火の海と化して思惑通りに事は進んでいた
命からがら森から出た賊は黄蓋達包囲部隊に討ち取られていく
焼け死ぬか討ち死にするかのどちらかしか残された道がない賊は
自分達の行いのツケを命をもって払う事になった
「ちきしょう!手前等ぁ逃げるな!」
どいつもこいつも使えねぇ連中ばかりだ
只の小さな山賊から数万を束ねる賊頭になったんだ
村を焼いて街を制圧して腰抜けの官軍どもを蹴散らして
俺が領主になって旨い物食って良い女を抱いて……
これからなんだ!これから俺の……
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ