60限目 学園都市の魔の手
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隊員の男は安心そうに言った
『ターゲットの5人を確保。しかし、吉井は今休んでいる模様』
『了解、じゃあ、その5人を除いてこの中にいる奴は逃がしていいぞ』
そして雄二たち5人を残して生徒教師はいっせいに学園から出てきた
「杉下さん。たった今学校の生徒教師が開放させたようです」
「カイト君。今すぐ行方不明の人たちを探してきてください」
「どういうことですか?」
「恐らく今回の事件は誰かの誘拐でしょう」
「わかりました。行って来ます」
学園前では家族と再会する者、恋人と再会する者で溢れかえった。そしてさっきまで沢山いた野次馬も静か消えていった
「翔子ちゃん。雄二は?」
霧島に話しかけたのは雄二のお母さん
「雄二はどこ?」
「雄二は学校にいるの」
「どうして?」
「わからない。でも犯人たちは雄二たちを『ターゲット』とか『モルモット』って呼んでた」
「大丈夫なの?雄二は」
「大丈夫だよ、きっと明久が助けてくれるから」
「吉井君が?」
「うん」
そして、警察緊急本部では
『えー、こちら『猟犬部隊』今から要求を一つ言う』
「吉井明久を今すぐ連れて来い」
それから警察は吉井明久を呼んだ
「どうして?どうして雄二たちなの?」
「それは僕たちには分からない。しかし向こうは君を要求してきた」
「すいません。向こうの名前って?」
「確か『猟犬部「犯人グループから電話です」
そして木原から電話が来た
『吉井はいるか?』
「ああ、いる」
『変われ』
「はい、吉井です」
『よう、吉井。誰か分かるよな?』
「お前は。木原か」
その瞬間吉井はとてつもない怒りがこみ上げてきた
「で?どうして雄二たちが標的になっているんだ?」
『それは、お前のせいだ』
「え?どうして」
『この前に言ったよな?お前は学園都市から逃げられないって』
この言葉は清涼祭のとき一方通行から言われたのと同じだった
『吉井、今すぐこっちに来い。さもないと5人の保障はしない』
「ふざけろな。木原。今回5人の回収なんだろ?殺せるわけ無いだろ」
すると電話越しで「バァン」と二発の銃声と悲鳴が聞こえた
『分かると思うが俺は殺るといったら殺る男だからな』
「警部!今扉のところにこんなものが!!」
そこには血のついたウサギの髪留めと血に染まった黄色のリボンだった
『待ってるからな吉井』
電話越しに木原の大笑いが聞こえながら電話が切れた
そしてその瞬間吉井の中で何かが弾ける音と共に吉井の理性は吹っ飛んだ
吉井は電話が切れた後髪留めとリボンを受け取り警察を出ようとする
「吉井君。やめなさい。危険すぎる。今行ったら向こうの思う壺だ」
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